HEARTFUL MELODY

基本YOU TUBEに上がってる音源を貼って文章を併記するスタイルですが、YOU TUBEに1曲切り出しの形でない場合(音源フルでしか上がってない場合含む)は、画像のみの掲載とします。

SADISTIK EXEKUTION/GROUND CONTROL/THE COMPANY

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■"K.A.O.S."SADISTIK EXEKUTION

前作がタイトルから中身まで抱腹絶倒モノだったSADISTIK EXEKUTIONの通算3作目。とはいえその前作は全体通すとわりと散漫というか適当気味な印象はあった(ちなみに、1stは聴いてないです)。デスかブラックどちらにいるかの境界もはっきりしなかったし。しかし今作は違う。前作のクレージーさは勿論そのままに、いよいよ作品として一本筋通ってきた。やはりこのバンドは、所謂ベスチャルブラックメタルのカテゴリーで語られるべきなのだろう。BLASPHEMYや同郷のBESTIAL WARLUSTと同系統の、凄まじい轟音ブチ切れ爆走サウンドであり、今にわかにブームになっているその手の音が好きな人であれば、必ずやハマることだろう。これはシリアスにカッコいい。これは素晴らしい。バリクソ巧いし。本作、大元は地元レーベルによる地元限定販売品だったそうで、後年結局Osmoseがワールドワイド流通盤を出しているのだが、こちらには66トラック目より5曲のボーナストラックが加えられている。どういう素性のトラックかは明らかではないのだが、こちらも本編同様のブチ切れベスチャルメタルで最高にカッコいい。

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■"Insanity"GROUND CONTROL

イタリアのスラッシュ/パワーメタルバンドの2006年発表のデビューアルバム。これがかなりの掘り出し物だ。この時代にして、ANNIHILATOR、初期ANTHRAX、"In Search of Sanity"の頃のONSLAUGHTを彷彿とさせるスマートなタイプで、ヴォーカルはジョーイ・べラドナのような伸びやかなハイトーンを響かせるタイプ。最後のトラックでそのANTHRAXの"Metal Thrashing Mad"のカバーもやっている。演奏も曲もクオリティは非常に高い。ヴォーカルの音程がちょっぴり不安定なのが残念だが、あくまでちょっとツメが甘い程度なので、特に今の時代においては取り沙汰すことでもない。何よりこうしたスタイルをこれだけのクオリティで21世紀になってやってくれてたのだから、つまらん批判は無粋だろう。このバンドはあと一作残しているということで、早速某所にて注文した。届くのが楽しみだ!!

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■"The Company"THE COMPANY

元HEATHENの名手、Doug Piercyを擁していたドイツのスラッシュ/パワーメタルバンドのデビュー作。速い曲もあるにはあるので(但し1曲目とラスト曲だけ)、HEATHENの幻影を追い求めてきた人の期待にもちょろっと程度は答えてくれるだろうが、アルバム全体としてはグルーヴメタル色の強い音を標榜している。それはまあいいんだけど、リズムもヴォーカルもキレ悪くてなぁ。ヴォーカルとか、HEATHENのVo、Davidですら誰でも歌えそうだよなと思ってたのが、これ聞くと「Davidって巧かったんだなぁ・・・」と思っちゃうもの。自分としては守備範囲外の音なんですが、この手に長けてる方の耳からしたら、どんなもんなんですかね、このアルバム。速い曲だけ抜き取って極私的な評価を試みるにしても、額面どおりHEATHENの1/4の魅力しか感じ取れない。ただ、どヘヴィでグルーヴィながらもUSスラッシュ/パワーメタルの旨みを含んだ楽曲もあったりはするので、油断は出来ないんだが。サバスっぽいギターの鳴りもあっていいな・・・なんのかんの言いながら、全編聴けてしまってます。悔しいから「楽しめた」とは言いたくない。12曲目でT-REXの"Children of Revolution"のカバーをやってます。

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■"Frozen by Heat"THE COMPANY

2作目のオリジナルフルアルバム。前作では演奏や歌のこなれてなさ加減が気になっていたが、その辺は単純に改善されているので一安心。さて、やはりHEATHENの幻影を求めてくる客が多かったのか、本作では速い曲、パートが増えている。冒頭から2曲続けてHEATHENばりのスラッシュナンバーだ。ヴォーカルの声質が似ていることもあってか、同時期のRAGEにベイエリアクランチを加えたようにも聴こえる。4、5曲目もグルーブを交えつつもファストに展開するし。しかしなんというか、1stで聞かせたグルーヴメタル的志向と、DougのHEATHEN的スラッシュメタルの志向が、融合に至らずケミストリーも生まず(←ここ重要)ただせめぎあっているように感じるのだ。これ実は、グルーヴメタルのファンにとってもHEATHENファンにとっても喜ばしい志向ではなかった。中途半端だからだ。これが出た頃グルーヴメタルのリスナーは「おっさんメタラーは新しい音を受け入れられなくて頭が固い」みたいに言う奴凄い多かったんだけど、向こうだって元来のスラッシュメタルをロクに理解しやがらなかった。つまり、どちらのリスナーにとっても50パーセントは不純物にしかならないのだ。そしてこれまでを見てきても、その2つを双方の層とも納得させるレベルで融合させた例は、自分は知らない。実際このアルバム、凄い中途半端な印象だ。演奏に難があれど、前作のほうが筋が通ってたかもしれない。部分的にHEATHENってだけの音聴くなら、HEATHENそのもの聴くよね。そんな結果をバンド自身も察してか、本作完成後、Dougは脱退。バンドはグルーブメタルに徹することとなる。

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■"Awaking Under Dogs"THE COMPANY

というわけで、Dougが抜けた後の3作目フルアルバムは、晴れてピュアなグルーブメタルバンドとなりましたとさ。スラッシュ/パワーメタル色は殆どありません(ちょろっとだけあるけど)。結局Doug以外の3人はこういうのがやりたかったということで、そのほうが良い結果出るに決まってるよな。実際前作のような中途半端さはないし。と言いつつも、1作目で聴かせた、単純にグルーヴメタルにDougのエッセンスを生かした路線で、もうちょっと先を聞きたかった気もする。サバスっぽいギターの鳴りとかね、あれはDougの世代ならではだったと思うから。グルーブメタルは完全に守備範囲外なので、本作の評価は僕には下せません。詳しい方お願いします。