HEARTFUL MELODY

基本YOU TUBEに上がってる音源を貼って文章を併記するスタイルですが、YOU TUBEに1曲切り出しの形でない場合(音源フルでしか上がってない場合含む)は、画像のみの掲載とします。

ARMOURED ANGEL/INSPELL/PARRICIDE

 

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■"Hymns of Hate"ARMOURED ANGEL

オージーデスメタル無冠の帝王、ARMOURED ANGELは、バンド創始者のLucy(B)と、1987年より参加したJoel(Dr/Vo)とMatt(G)のGreen兄弟というメンツの時期がメインであり最強だった。本CDは、その最強メンツの時期に作られた音源を全て収めたものである。KREATOR、DESTRUCTION、SODOMといったジャーマンスラッシュからの影響が微笑ましい"Wings of Death"デモ、ARMOURED ANGEL特有のドライブ感がいよいよ醸し出されてきた"Communion"デモからして、デモとは思えない完成度の高さで圧倒されるが、本領が完全開花するのは、やはり"Stigmartyr"、そしてなんとPolygramから発売された"Mysterium"という2作のミニアルバムだろう。バスドラムやギターの細かい細かい刻みの上にスローなスネアの刻みを乗せるスタイルは、かのBOLT THROWERや日本のHELLCHILDが有名だが、このARMOURED ANGELのそれは物凄くしなやかで、凡百のデスメタル群とは完全に一線を画している。これは明らかにLucyとMattのリズム隊の力量の賜物で、その巧さは激烈ファストナンバーでも存分に発揮されている。そうしたこのバンドの強靭かつ芳醇なアンサンブルは、"Mysterium"で完成を極め、本作はバンドの公式作としては最高傑作に位置づけられるものだろう。

しかしこのバンドの驚くべき進化はまだ止まらなかった。本CDに収録されている4曲の未発表デモ音源においては、ここまでで築き上げてきたスタイルを一切削ることなく、BLACK SABBATH的なドゥーミー感、そしてKILLING JOKE的な硬質感を醸し出すようになっている。個性にさらなる個性が加わり、もはや前任未踏の領域であるが、バンド活動としてはさらに驚愕の展開が待っていた。なんとそのKILLING JOKEのJaz Colemanをプロデューサーに向かえ、フルアルバムを制作したというのだ!!まがりなりにもデスメタルバンドでJaz Colemanというのもにわかに信じがたいし、何よりJaz Colemanは革新性のないバンドには厳しい。アングラでちやほやされてるだけのドロドロバンドではダメなのだ。しかしそんな気難しい御仁の首を縦に振らせたのも納得出来るだけの説得力が、この4曲のデモ音源には間違いなくある。本CDの最大の聴き所は、実はこの未発表デモ音源だったりする。単にレアなだけの音源ではないですよ!心して聞いて震えてください。

ここからは、本CDからはやや外れる後日談となるが・・・そのColemanプロデュース下で制作されたアルバムは、残念ながらお蔵入りになってしまう。バンドが解散したからだ。まあ、あるんだよ。頂点を駆け上っていくバンドには、こういう思わぬ落とし穴が。その後創始者のLucyがバンド復活を図るが、そこにはGreen兄弟の姿はなかった。一応フルアルバムを作って出したものの、絶頂期に迫ることすら出来ず、ついにバンドはその生涯を完全に終える。このバンドは明らかに、Green兄弟がいてこそのものだったのだよね。未発表アルバム、お蔵出しとか適わないかなぁ。出来ない相談かな。Polygram絡んでるだろうしねぇ。

 

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■"Angel of the Sixth Order"ARMOURED ANGEL

Lucy、Joel Green、Matt Greenという最強布陣が崩壊した後、バンド創始者のLucyが再建をはかり、ようやく一作作り上げるに至ったフルアルバム。Lucyの苦労はねぎらいたいが、残念ながら解散前には遥か及ばない内容だ。アンサンブル重視でやってきた以上メンツが変わると以前の音が再現できなくなるのは当然だし、それに留まらず、後任のドラムが非常に弱い。激速ビートもこなせなければ、グルーヴもない。それでも楽曲は結構頑張っており、ぽっと出の辺境バンドであれば佳作に位置づけられる内容にはなってると思うが、しかし本来そういうステージのバンドではないだけに・・・。

 

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■"Murder Tales:I Confess..."INSPELL

かのStormspellの第一弾バンドとしてデビューしたブルガリアのINSPELLが、約10年ぶりに帰ってきた!!前作は、DIMMU BORGIR系のシンフォブラック+TESTAMENTのようなベイエリアクランチスラッシュというかなり特異な音楽性だったが、今回は残念ながらスラッシュ要素は消失し、シンフォブラックに純化してきている。とはいえ、相変わらず凡百のこの手のバンドと異なるところもあり、それはシンフォプログレ的な味わいを少なからず感じさせること。キーボードが恐怖感をひたすら煽るような鳴り方だけではないんですね。その辺で、いい意味で真性ブラックから一歩引いており、ちょっと面白い辺境エクストリームメタルという趣で楽しめる。音だけ取れば良い出来なんだけど、残念なのが、このジャケットはさあ…もうちょっとなんとかならなかったのか。

 

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■"Crude"PARRICIDE

ポーランドのブルータルデスメタルの3rdアルバム。ブルデスは疎いので感想が述べにくいのだが、Jackhammer Musidリリースらしさがこの作品でも漂っていて、自分としては気に入って結構聴いてるアルバムだ。基本スローとブラストの繰り返しを、かなり複雑なタイミングとリズム展開にて行っており、そのセンスは非常にキャッチーだ。ウェットに踏み込まない程度の不穏なメロディをほのかに漂わせているのもいい。演奏力は言うまでもなくバカテクの上、出音も大変重厚です。