HEARTFUL MELODY

基本YOU TUBEに上がってる音源を貼って文章を併記するスタイルですが、YOU TUBEに1曲切り出しの形でない場合(音源フルでしか上がってない場合含む)は、画像のみの掲載とします。

DISCHARGE

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"Grave New World"DISCHARGE

80年代初めに世界を震撼させたハードコアパンクも、歳を経るごとに進化、拡散がどんどん進み、変わらないバンドはどんどん苦境に追いやられていったように思う。ハードコアパンクの始祖であり帝王であるDISCHARGEも例外ではなく、2作目のフルアルバムにして早くも新境地を余儀なくされた。彼らが選んだ道は、なんとヘヴィメタルへの転向である。これまで血を吐くような怒号を轟かせていたヴォーカルは、オジー・オズボーンかキングダイアモンドのようなねちっこいハイトーンヴォーカルに変わり、楽曲のベクトルもBLACK SABBATHやオジーソロを思わせるものへとシフトした。急激な変化ではあるがしかし、その作りは本格的だ。何より、元来のDISCHARGEらしさと新たなメタル要素のバランスが絶妙。ヴォーカルはメロディレスながらしっかりと歌い、一方で元来のアジテーションと漆黒の世界観をどうにかして保とうという意思が感じ取れる。当時の世間は空前のヘヴィメタルブーム。本作はDISCHARGEが放つ第二の衝撃として、歴史に爪あとを残せるだけの可能性は併せ持ってたと思うのだが・・・結果は悲しいことに「総スカン」だったという。元来の支持者の信用を失うだけ失い、新たな支持者を得ることもかなわなかった。確かに当時のあらゆる潮流を振りかえってみれば、このメタル志向は実は微妙にズレてたことは確かではあるのだが、ではBLACK SABBATH再評価が始まる90年代以降ならばどうだっただろう。また本作の受け取られ方も大分違ってたのではないだろうか。にも関わらず今日までそうした再評価があまり行われず、ともすればギャグ扱いされ続けているのはとても残念だ。DISCHARGEは本作の失敗により、しばらくの間どん底の低迷期を過ごすこととなる・・・。

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"Massacre Divine"DISCHARGE

DISCHARGE史上最も評価が低いアルバムとされる3rdアルバム。1991年リリース。前作はあまりに過小評価と強く擁護したくなる僕でも、こればかりはさすがにカンベンである。前作の失敗を受けて、次にバンドが選んだ一手は・・・「今度はファンクや!!」そうバンドが言ったのかは知らないけど(笑)、何にせよ前作のメタル要素にさらに加え、レッチリ風のファンクビートが取り入れられてるのは間違いない。但し、レッチリのあの柔らかいビート比べるべくもない、まるで後期高齢者がバンド組んでるみたいなギッタンバッタンたどたどしい演奏で。「正視に耐えない」ならぬ、「正聴に耐えない」とはこのことです。普通の精神状態だと続けて2曲聴くのが限度。酒入れて無理やり全編聴き通した後の、決して酒だけでは味わえない脱力感は絶品。こうなるとハイトーンシャウトもただただ滑稽に響く。パンクだからこういうもん?いや違うだろ(笑)。DISCHARGEというバンドの評判は、こういう新作を出してしまったことで、一端地に落ちてしまった。

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"Shootin Up the World"DISCHARGE

もはやパンクスの間でも特段話題になることなく、ひっそりと出された感の強かった4thアルバム。1993年リリースというご時勢を反映してか、今回はPRONGっすね。ギターの和音フレーズとかベースのビキビキ感とかまさにそれで、当時のモダンな音への意識の強さが伺える。かといってPRONG超えてるわけでも、PRONGにないサムシングがあるわけでもないのだけど、今回は演奏面も含めてキッチリしっかり作ってあり、良いとまでは言えなくとも「悪くない」と言えるレベルにまでは立ち直れている。何より、実は前作でもそうだったんだが、このバンドの作るリフは本当カッコいいのよね。パンクであろうとメタルであろうと。ああ、その辺は常に他所のバンドにはないサムシングだったかもしれないね。だから本音としては、そうした元来のセンスを大事にしてもらった上で、ここでやった音に手ごたえを感じてもらって、その続きを聴かせて欲しかったのよね。それには、恐らく前作はやっちゃいけないアルバムだった。前作がなければ今作はまだツーアウトだったから、あと一度のチャンスはあったのでは。そう考えていくと、つくづく惜しいアルバムです。DISCHARGEはこの後長い沈黙期間に入り、2000年に原典回帰アルバムで復活することとなる。