AKHENATEN/SECTASYS/MISSA MORTVM/VOMIT OF DOOM/HATECROWNED/NAZGHOR

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"Incantations Through the Gates of Irkalla"AKHENATEN

アメリカはコロラド州出身のデスメタルトリオの2作目。メソポタミア神話を題材に制作活動を行っているそうで、ミドルテンポ中心の硬質なデスメタルに、全編通して中東を思わせる音色がちりばめられている。中々耳慣れない音で斬新に聴こえはするのだが、和音進行にあまり変化がなく、メタルとしてはかなり単調に聴こえる。それでいてフレーズ自体は手を変え品を変えであれこれ鳴らしてるので、ミニマルって感じでもなくかえって中途半端。これは中東音楽とメタルの融合としては、あまり高い次元のものではないかな?という気も。面白いんだけどね。

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"Brotherhood of Chaos"SECTASYS

ベネズエラ産のブラックメタルバンドのデビューアルバム。最初は初期北欧ブラックの荒涼トレモロリフ系か?と思わせて、聴き進めるとIMMORTAL系のヘヴィメタリックなリフを含めるブルータルなスタイルへと変わっていく。しっかりとしたギターソロをブラストビートにしっかり絡める形で聞かせるなど、演奏技量は中々のもの。SATYRICONを思わせるヴォーカルの載せ方もカッコいい。これといった個性があるわけでもないし、飛びぬけた内容があるわけでもないのだけど、タイピカルなものを求める人には悪くない内容だと思う。やっぱギターソロをカッコよく聞かせられるのは大きいかもしれないね。

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"Et Lux Perpetua Luceat Eis"MISSA MORTVM

チリのブラックメタルトリオのデビューアルバム。現地語と思わしき歌詞が全く読めませんが、音聴く限り相当高品質なメロディックブラックメタルです。昔のULVERやGORGOROTHなどを彷彿とさせる感じの音ですが、使い古されきった北欧系のトレモロツタツタスタイルも、やはり素養がある人にかかるとまだまだこんなに豊潤な音楽になるんだなぁと改めて認識させられます。全5曲、8分とか9分とかの長い曲そろいですが、ドラマティックな起伏もあり、最後まで飽きることなくしっかり楽しめます。あまり書くこともないアルバムなんですが、内容のよさは確かですよ。

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"Obey the Darkness"VOMIT OF DOOM

今度はアルゼンチンからです。このロゴから、分かる人には大体音のほうは想像つくでしょう。ブラックスラッシュでございますよ。初期SODOM直系な感じですが、ベイエリアクランチ的な刻みも取り入れ、イケイケに全編突っ走ります。この手の音は、そもそもが昔のプレブラックメタルバンドの復元みたいなものなので差別化が難しく、このバンドも例に漏れずその辺苦しんでる感じですが、とりあえず演奏の前のめりな荒々しさは良い感じです。とりあえず次作まで聴かないと真価は見えないかなぁ。

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"Newborn Serpent"HATECROWNED

なんとレバノンブラックメタルトリオのデビューアルバム。上のティーザーの曲も含めて合致しない曲もあるのだが、内容の大半は、90年代ブラックメタル黎明期をかざったバンドの一つ、フィンランドのMYTHOSにかなり似てる。根っこにデスメタルの香りを漂わせた上で、轟音リフで空間を埋め尽くしつつツタツタ2ビートで疾走していく。MYTHOS同様、IMPALED NAZARENEをデスメタル方面にちょっと崩した感じと言い表してもいいかもしれない。ほんのり匂わせるリフの大仰さや叙情的なフレーズもMYTHOS同様で良い味出している。当人達がMYTHOSを意識してるのか、そもそも知ってるのか、たまたま出音が合致したのかは明らかではないが、何にせよ一見ありふれてるようで実は中々見ないタイプのブラックメタルバンドなので、それだけで価値があるかも。僕は無論好きですよ。

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"Death's withered chants"NAZGHOR

北欧ブラックメタルの本場、スウェーデン出身の4人組(現在は5人組らしい)の2016年リリースの5作目。というと結構な中堅キャリアがあるかと思いきや、結成はなんと2012年。一年に一作のリリースを続けており、今年2017年も既に新作を出している。スタイルは典型的北欧メロディックブラックメタルであり、そこそこドラマティックに曲は作りこまれているものの、特段個性を持ってるわけでもないし、創造力も感じない。その上でこの多作さは、多分ブラックメタル好きの子たちが集まって、自分達の好きなバンドっぽいことをやってみている段階で留まっているバンドなのだろう。このアルバムも僕はフィジカルで入手したけれど、初出はBandcampオンリーだったみたいだし。水準以上のメロディックブラックメタルだったらなんでもいいという人にはいいと思う。僕はもう人生の残りが見えてきちゃってる年代なんで、こういうのに割く時間はないんで・・・で片付けたかったところだけど、BATHORY直系のスローナンバーの8曲目からラスト曲までの流れはまあまあ。