NARCOTIC GREED/ROSENFELD/RITUAL CARNAGE

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"Fatal"NARCOTIC GREED

日本には、何故か和製FORBIDDENが多い。東京のFORBIDDEN、名古屋のFORBIDDEN、九州のFORBIDDEN・・・こちらは大阪のFORBIDDENであり、隠れた名スラッシュ/スピードメタルバンドでもあるNARCOTIC GREEDのデビューアルバムだ。ハイトーンヴォーカルにメカニカルなインストのアンサンブルというFORBIDDEN的な部分は踏襲しつつも、高崎晃やヌーノ・ベッテンコートなどを彷彿とさせるWarszawa氏のギタープレイが、所謂FORBIDDENフォロワーに留まらない最大の個性となっている。また、RAGING FURYやROSENFELDなど80年代~90年代浪速スラッシュメタル軍団の根底に通ずる「浪速らしさ」はこのバンドでも感じ取れ、FORBIDDEN云々はあくまでざっくりとした形容と受け取るに留めたほうが良いのだろう。ヴォーカルはさすがにラス・アンダーソン並とは行かず、タイニーな感じはしてしまうが、それでも素の声質は中々格好良く、十分こういうものと受け取れるものだと思う。

初出は自主レーベルからの発売だったが、2016年になんとあのDivebombからリマスター再発。その辺からも海外のスラッシュコレクターの評価の高さが伺える。なおこの再発盤にはアルバムデビュー以前の名作デモ"Crisis of Ruin"も全曲収録されている。音質の悪さが非常に惜しかったデモだが、今回こちらも同様にリマスタリングされており、かなり鑑賞に堪えるレベルに仕上がっていると思う。アルバムとこのデモとではリズム隊が異なり、それぞれの面子で楽曲の感触がかなり違うのが面白い。個人的には随所随所で手数を叩き込むドラムが最高にカッコいい"Crisis of Ruin"の方に軍配があがるかな。

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"Pigs of the Empire"ROSENFELD

80年代後半からの、AION、GARGOYLE、COLOR、東京ヤンキース、YOUTHQUAKE、そしてX(JAPAN)といったヴィジュアルスピードメタル軍団の最高峰であり、日本のスラッシュメタルの中でも指折りの名バンドでもあるROSENFELDの、結局は唯一作となってしまいそうな1991年発表のデビューアルバム。DESTRUCTIONやLIVING DEATHといったユーロスラッシュ群のジャパニーズスラッシュ的解釈といったスタイルであるが、このアルバムでもっとも特筆すべき点といったら、なんといっても楽曲の比類なき質の高さだろう。捨て曲などあるわけもなく、全曲名曲レベル!!日本のスラッシュというと楽曲の質より出音の肉感性が先行しがちなイメージがあるだけに、この凄まじい曲のクオリティには尚更驚かされる。中にはなんとバラード曲もあり、これがまた絶品!!慟哭を表現出来ていればハーシュヴォイスですらもバラードに馴染むことは、ウド・ダークシュナイダーが証明しているけど、ここではその威力を最大限に発揮しており、聴く者誰もが強く心を打たれるだろう。しかもそんな「静」のムードに落とし込んだ次の瞬間に、絶叫とともに超ファストナンバーが叩きつけられるという圧巻の展開。こんな全編手に汗を握りながら聴けるようなメタルアルバム、他にそうそうないのでは?音質がギターウルフ2歩手前くらいのあまりに生々しいところは好き嫌い分けるだろうけど、その辺も90年代半ばにそういう音質をウリにしたブラックメタルムーブメントみたいなのが起こったわけですし、そういうものと解釈して聴けばよろしいでしょう。とにかく、日本メタル史上1,2を争う名盤だと思うので、まだ未聴の方は少なくとも存在を頭の片隅にとどめておきましょう。1994年のリマスター盤以降長らく廃盤が続いてしまってますが、数は出てるのでブックオフとかでひょっこり1000円くらいで出てくることも少なくないです。

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"The Highest Law"RITUAL CARNAGE

1990年代末~2000年代前半の東京のメタル界隈にて名物でもあった巨漢アメリカ人、Dan率いるRITUAL CARNAGEのデビューアルバム。元々はブルデスバンドとしてライブ活動を行っていたのが、スラッシュメタル復興ムードが強まるに従ってスラッシュメタルへ移行。そんな経緯を辿ってるとなると付け焼刃を警戒したくなるが、少なくともスラッシュメタルに肝心なキャッチーさはしっかり踏まえた、中々良いアルバムとなっていると思う。一応アメリカ系の音だが、ベイエリア系にありがちな軽薄な明るさはなく、どちらかというと初期のMETALLICAやWHIPLASHなどを彷彿とさせる(両バンドともライブでカバーやってたし)。その上にデス/ブラックメタルの不穏さも盛り込んでいる感じか。正直借り物臭いフレーズも散見されるが、変にオリジナルに拘るあまりつまらないフレーズの羅列になってしまうのなら、(楽曲全体がオリジナルであるなら)借り物も全然アリというのが僕の考えだ。またこの時期はスラッシュメタル再評価に沸きあがる中、それがオマージュとして許されるべき時期だったとも思うし。何よりリーダー以外日本人で固めた和製バンドとして、あのOsmoseから高い話題性と共にデビューを果たし、レーベルメイトを次々と日本に招聘した功績は、後の日本のメタル界に大きな影響を及ぼしていると思う。なお、ノンクレジットだが、本作のドラムはVOMIT REMNANTSの坪井氏がプレイしている。

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