SIN OF GOD/SKULLTHRONE/HUMANITAS ERROR EST/THE HELL/FUNEBRIA/SACRED SIN

www.youtube.com

"Aenigmata"SIN OF GOD

ハンガリーデスメタルバンドの2作目。結成は2004年だそうだが、前身バンドを含めると歴史は1999年までさかのぼるらしい。所謂US系デスメタルのスタイルで、MORBID ANGELやNILEあたりを彷彿とさせる。リフのセンスがこの手のバンドにありがちなこれ見よがしに奇怪なものではなく、BLACK SABBATHの流れを汲む素朴めなものなので、この手のバンドとしては非常に聴きやすい。一通り聴き終えた感想としては、もはやこの手のデスメタルはトラディショナルなものとして捉え作られているんだなぁ…といったものだ。過激さを追い求めた末の落とし子として生まれたデスメタルは、今やじっくり丁寧に聴き込んで楽しむ鑑賞品となったのだ。というわけで、黎明期のバンドみたいな熱り立った禍々しさはあんまないですが、間違いなく高品質盤なので、この手のデスメタルが好きな人ならまず楽しめるでしょう。僕も結構気に入った。

www.youtube.com

"Biomechanical Messiah"SKULLTHRONE

コロンビア産4人組の2015年リリースのデビューアルバム。タイトルどおりBIOMECHANICALみたいなジャケ絵ですが、内容は全く違います。イントロのジャムセッションみたいなのが終わると即、怒涛のグラヴィティブラストが炸裂!その後の楽曲もおよそ7割くらいはブラストで埋め尽くされることになりますが、典型的デス/グラインドにはちょとあてはまらない。というのも、ギターが結構独特。一応タイプを言い表すならば、初期KREATORや"Deathcrush"の頃のMAYHEMみたいな、かきむしるような音なのだけど、それだけでは言い表しきれていない。今オーストラリアにVOMITORというバンドがいるけど、あんな感じかも。そんなエクストリームなブラストと、ローファイなブラック/スラッシュ系のリフの組み合わせは中々見られないものであり、好き嫌いは分けそうな気がするけど、僕は結構好きだな…。

www.youtube.com

"Human Pathomorphism"HUMANITAS ERROR EST

ドイツから登場のちょっと衝撃的なブラックメタルバンドのデビュー作。ブラックメタルと一言で言っても様々なタイプがあるわけだが、このバンドは"Wolf's Lair Abyss"や"Chimera"の頃のMAYHEMを強く思わせる。音のスタイルとしてはMARDUKやDARK FUNERALの影響も大きそうではあるが、この虚無感と絶望感に満ちた無慈悲なムードは、MAYHEMのあの辺に近い。そうした趣向の音を、かなり高い完成度で聞かせてくれるのが、このアルバムだ。演奏力もサウンドプロダクションも申し分なし。さらに特筆すべきは、このバンド、なんと男女ツインボーカルの6人編成である。音が音なんでCDでは効果がわかりにくい(というか、全く聞き分けがつかない)が、ライブではきっとびっくりするようなパフォーマンスを繰り広げてくれるのだろう。発売元もかなりプッシュしているバンドだそうで、あとは上手く飛躍のチャンスを掴めれば、かなりのスターバンドになるのかも。時代の旗手となれる可能性を秘めた新人の登場である。今後が楽しみだ。

www.youtube.com

"Wellcome to..."THE HELL

セルビアの5人組デスメタルバンドの2015年リリースのデビューアルバム。まず、タコ足+ヘビの尾っぽ人間というマジなのか冗談なのか分からないジャケットで目を惹き、ブックレット内のフォトセッションでの8弦ギタリストとただならぬ佇まいのヴォーカルが、否応なしに内容への期待を高めてくれる。そうして再生ボタンを押して飛び出してくる音は…一聴して普通のUS系デスメタル。しかし、典型的なそれ系とは、何かムードが違う。ていうか、なんかノリ良くないですか?特段そういうリズム用いてるわけでもないのに。そういえば、この手の音としては不可欠とも言えるツーバス連打の圧搾感や過剰なマッチョ感が希薄。ギターリフにユーロスラッシュの面影がうっすら残ってるのも、ノリ良く感じる理由の一つなのかもね。実に辺境産らしいヘンな持ち味のバンドですが、曲は非常に丁寧に練り込まれてて、イモ臭さは一切なし。質と個性を兼ね備えた、いいアルバムだと思います。

www.youtube.com

"Dekatherion-Ten Years of Hate & Pride"FUNEBRIA

ベネズエラブラックメタルバンドの2015年リリース2作目。ジャケットからしてもうMARDUKっぽく、そういうのが好きな人の期待をそそるところですが、その期待を裏切らないブラスト全開ブルータルブラックメタルをしっかりと聴かせてくれます。ちょっとデスメタル寄りかな?しかし実のところ、そんなところどうでもよく…このバンド、ヴォーカルが別の意味で凄すぎる。ブラックメタルバンドとしてはあるまじきほどに邪悪さゼロの、単なるKENZENな金切り声!!スラッシュメタル系にはよくいるタイプですが、そういうのをそのままこういうブルータルな音にのっけてしまうとは…ごめん、「ダサい」の一言。これが何かケミストリーを生み出していれば勿論賞賛しようもあるんですが、これでは怒涛のバッキングの中でもがいてるようにしか聞こえません。バンドは、聴き手が何を求めてこういう音を聴くのか、一度考えたほうが良いと思いますが…とか書いてる横で近況調べたら、なんとヴォーカル交代してるのね。であれば今後には期待出来る。演奏は申し分ないし、メロディアスなGソロを盛り込んだ曲も悪くないですしね。

www.youtube.com

"eye m god"SACRED SIN

現在も活動を続けるポルトガル産デス/スラッシュバンドの1995年リリース2ndアルバム。今回僕が買ったのは2015年の再発盤だが、わざわざ再発されるだけある。イントロに引き続き、かつてのMERCILESSを思わせる怒涛のデスラッシュが炸裂!!ウェットなリフやGソロを聴かせたり、BATHORYやMORBID ANGELを思わせる不穏なKeyを被せたり、パワーメタル風の曲も披露したりと、曲作りのアイデアもかなり豊富だ。世間一般ではデス扱いのようだし、実際MORBID ANGEL以降のセンスも少なからず感じ取れるのだが、個人的にはこういうのはスラッシュ枠で受け取りたいなぁ。DESTRUCTIONっぽいリフもあるし。いや、これはマジでカッコいい。