INHUMAN/GROTESQUE CEREMONIUM/DEMONIC OBEDIENCE/BESTIAL DEFORM/ACHERONTE/GLOOMY GRIM/THE SARCOPHAGUS/ALASTOR SANGUINARY ENBRYO

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"Conquerors of the New World"INHUMAN

コスタリカ産テクニカルデスメタルバンドの2作目。後期DEATHやアルバム前のCYNIC、初期ATHEISTの手数が多いところだけを抽出して、ブルータルめに再構築したかのような音を聴かせる。SFモチーフということで、NOCTURNUSとかもを思い出すところだが、確かにあの辺も彷彿とさせるムードは漂ってる。が、全樂器の手数はあれよりも倍くらいある(笑)。んーなんつか、技巧面ではそれなりに凄いと思うのだけど、芸術としてのレベルはまだまだだなーと思う。NOCTURNUSとかATHEISTみたいに、音楽として引き込まれるところがないというか…。ところで、ジャケットの絵は離れて見るとそれなりにカッコいいけど、近くで見ると初期プレステ並のCGでたまげるぞい。

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"Demonir Inquisition"GROTESQUE CEREMONIUM

トルコの一人デスメタルのデビューフルアルバム。これは中々凄いぞ。INCANTATIONのドス黒さにAUTOPSYのドゥーミーさをかけ合わせたような、とことん重々しく暴虐的な音を聞かせてくれる。アンサンブルはこの手の音として優秀といえるレベルでどっしりキマっており、本当にこれドラム打ち込みの一人メタルなのかと、にわかに信じがたい。楽曲の質もそこそこ良好で、頭からラストまでしっかり楽しく聴き通せる。聴き手をかなり選ぶタイプの音だとは思うんだけど、キッツいデスメタルが好きな人なら、買ってまず損はないんじゃないでしょうか。

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"Nocturnal Hymns to the Fallen"DEMONIC OBEDIENCE

イギリスの一人ブラック/デスメタルの2ndアルバム。これも一人メタルかよ!でもってこれも凄いぞ。ジャケットに違わぬ破滅的な漆黒世界を描き出す音像なのだけど、とにかく曲展開がめまぐるしいほど起伏豊かで、しかも巧み。全体としてはブラストも多用しかなりブルータルなのだけど、そんな中スラッシュ風に切り込んでみたり、メロディが飛び出してきたりが、かなり絶妙なタイミングでかまされる。一人メタルかつギターオリエンテッドで、この表現力の豊かさと楽曲の構築力、ただただ恐れ入るばかりだ。それにしても、ドラムの打ち込みも含めて、一人でここまで遜色のないものを作れる時代になってるんですねぇ。これなら、作りたいものの像さえしっかりしていれば、バンドやる必要はないんだろうね。かなりの秀作。おすすめです。

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"...Ad Leones"BESTIAL DEFORM

ロシア産4人組デスメタルバンドのこれが5作目。なんと1990年から活動しているようで、この手のバンドとしては大変長い歴史を誇っている。それだけ長い活動しているバンドだと、やはり自らの個性に対する意識が高い。ベースとなっているのは重々しいUS系デスメタルで、察するに、MORBID ANGELフォロワーから始まったバンドではないかな?という気がするのだが、デスメタルの典型とはまた違った形での「ヘン」さが、随所で見受けられる。キャッチーなのはこの手のバンドとしてある意味当たり前だが、なんというか、ほんのりとリズミックというか、ポップ…は言い過ぎか。ある意味プログレっぽいのかもしれない。そうした個性が魅力として完全昇華されているかといえば、うーん、今一歩!というところなのだが、独自のデスメタルに挑む姿勢は買える。

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"Ancient Furies"ACHERONTE

イタリア産4人組ブラックメタルバンドのデビューアルバム。オリエンタルなメロディのイントロが終わると一転、ブラスト全開のブルータルブラックメタルが炸裂する!基本MARDUKフォロワーだと思うが、ドラムがつんのめったノリなので、SARCOFAGOっぽさを感じたりもする。これはバンドが意図しているものなのか、それとも単にドラムの力量不足なだけなのかが気になる。特段個性はないにしても、ストレートでスカっと出来るブラックメタルを探してる人であれば、買って損はないのではなかろうか。

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"The Age of Aquarius"GLOOMY GRIM

フィンランド産5人組ブラックメタルバンドの、2016年リリースの6作目のアルバム。ブラックメタルマニアの間では結構有名なバンドだそうです。知らなかった。でもって経歴を調べたら、なんと長年あのフランスのHoly Recordsに在籍していたんですね!となればさぞかし個性的な暗黒エクストリームメタルを聴かせてくれるかと思いきや、基本路線はストレートなシンフォニックブラックメタル。但し味付けは辛目で、丁度EMPERORとCRADLE OF FILTHの間の子みたいな感じかしら。Keyは過剰に出張ることなく、ギターと共に重厚さに寄与している感じ。プログレ性とかアヴァンギャルド性は皆無なので、元Holy在籍という経歴に惹かれて聴くと肩透かしかもかも。ただ、後に聴き進めるほどに深淵に落ち込むような暗さが深まり、そういうところはHolyらしいのかもね。高品質なのは分かるけど、個人的にはイマイチピンと来てない。もう少し聴きこむ必要ありか…。

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"Beyond This World's Illusion"THE SARCOPHAGUS

トルコの3人組(+セッションドラマー)編成バンドの2作目のフルアルバム。ジャケット絵はブルデスっぽいですが、音はブラックメタルです。前作デビューアルバムはかのOsmoseからのリリースだったそうです。ブラストでかっ飛ばすMARDUKタイプのスタイルだけど、とにかくあちらこちらに90年代のブラックメタル隆盛期のバンドへの憧憬がにじみ出てて、聴いててちょっとニヤっと出来たりします。MAYHEMとかDISSECTIONっぽいフレーズが飛び出してきたりね。しかし、それ以上の煌めきが感じられないのが辛い。演奏面はさすがの達者っぷりだし(特にDESTRUCTION風の絡むリフをフルピッキングで叩き出すあたりとか)、曲も工夫して練ってはいるのだろうけど。前作はどうなんかねー。ぬーん。

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"For Satan and the Ruin of the Divine"ALASTOR SANGUINARY ENBRYO

アルバムタイトルもバンド名もやたら長くて打ち込むのが大変な、コスタリカブラックメタル5人組の3作目のフルアルバム。CRADLE OF FILTHとDARK FUNERALをかけ合わせたようなシンフォブラックで、かなり頑張って作っていると思う。"Nemesis Divina"の頃のSATYRICONなども彷彿とさせる1曲めの時点で強く耳を惹かれるが、それ以降も飽きずに楽しめる曲が続く。特に仰々しいラスト曲は圧巻!!パワーメタルっぽいツインリードのフレーズが何箇所かで切り込んでくるのも、聞き所の一つかな。特段個性があるわけではないし、録音はチープだし、決して垢抜けてもいないのだけど、辺境の地からの本場への憧れに突き動かされて作られたようなこういうアルバムは、本場の一流どころにはない、特有の熱い魅力があるものです。とはいえ、録音はあと一ランク上のレベルを望みたいけどね。Keyがスポイルされてるのがちょっともったいないので。自主制作の過去作も聴いてみたいな。