DESULTORY/EPIDEMIA/COLDBLOOD

www.youtube.com

"Through Aching Aeons"DESULTORY

スウェディッシュ・デスメタルの老舗、DESULTORYの最終作がついにリリースとなった。これまで彼らの作品を全て通ってきたようなファンなら、まずそのアグレッシブ極まりない作風に驚くことだろう。まるで往年のCARNAGEやUNCANNYのようだ。これまでのDESULTORYの持ち味であるメロディや展開のドラマ性を保ちつつも、決して用いてこなかったブラストもいくつかの場面で導入し、頭から最後まで前のめりに一気に突っ走る。ただラスト曲は、バンドの最終章を飾るべくクライマックスな展開があり、そんな全体アルバム構成としては、かのジャパニーズハードコアの金字塔、DEATH SIDE"Bet on the Possibility
"を彷彿とさせる…なんて考えているのは僕だけだろうか?

DESULTORYってスウェディッシュデスの中でもゆったりと走る感じだったこともあって、今回の音はこれまでとかなり毛色が違うものを感じる。やはり最後ということで、これまでやらなかったやりたいことも一気に吐き出してしまおうということか。そう考えると、本作は潔さというよりもむしろセンチメンタルなムードを感じてしまうが、まあそれはバンドが全力を出しきって有終の美を飾れている証でもあって。思えばアルバム毎にいつも新たな挑戦をしてきたバンドだしね。いいバンドだったと思います。バンド自体は現在も存続しているようですが、作品制作はこれが最後ってことかな?お疲れ様でした!

www.youtube.com

"Leprocomio"EPIDEMIA

近年、小国、途上国のデスメタルが熱いというのは本当なのだろう。本作はエクアドルのバンドの2作目である。初期CANNIBAL CORPSEをより近年向けにアップデートしたようなデスメタルを聴かせてくれるが、所謂ブルデスではなく、オールドスクールギリギリで踏みとどまってる感じ。何にせよ、楽曲、演奏力ともにかなり高いものを感じる。この手のドロドログチャグチャとしたグロテスクな音楽は、そうだからこそ実はキャッチー感が肝要と考えているのだが、そうした点も優れている。上手い演奏の上にフレーズや展開に印象的なフックがあるとやっぱり聴いてて気持ちがいいですね。35分というアルバムの尺も丁度いい。特段個性はないにしても、デスメタルが好きであればまず楽しめる作品じゃないだろうか。

www.youtube.com

"Indescribable Physiognomy of the Devil"COLDBLOOD

結成1992年、アルバムデビューは2007年という、長い下積みの歴史を持つブラジルのバンドの、2016年フルアルバム。ブラジルって海外に飛び出してるバンドは本当優れたポピュラリティを伴ってるんだけど、それが叶わなかったバンドは、ドメスティックなアクの強さが結構強烈だったりする。まあそれがかのMYSTIFIERみたいな怪しい持ち味に結びつくこともあるのだけど…。このCOLDBLOODもまさにそれで、ブルータル志向にもメロディ志向にもなりきれない、US系にもユーロ系にもなりきれない、ものっすごくマイナー臭を発散するデスメタルを聴かせてくれる。随所でメロディがあったり、ドゥーミーな展開を交えたりもするが、キャッチー感は皆無。果たしてこの煮え切らない音をそのMYSTIFIERのようなものと解釈するか?その辺で、評価をはっきり2分しそうな気がする。90年代前半のアンダーグラウンドにわんさとあったなぁ、こういうの。メタルにスカっとしたものを求める人は、聴いちゃいけません。