DARK FUNERAL

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"In the Sign…"DARK FUNERAL

今や人気バンドとしての地位を確立したDARK FUNERALだが、個人的には正直、デビューした頃はあまり印象が良くなかった。彼らがデビューした1994年なんてのは、ブラックメタル黎明期として最高の時期で、これまでまったく聴いたことのない音を轟かせるバンドが次から次へと絶え間なく出てきてたほどなのだが、そんな中彼らがやってたことは、MARDUKにMAYHEM風味を加えただけにしか聞こえなかったから。そりゃ確かに格好よくはあったけど、あの頃はどっかで聴いたことのある音にわざわざお金や時間を割く意味を感じなかった。そんな彼らのデビューミニアルバム"Dark Funeral"に、BATHORYカバー2曲、ライブトラック3曲を追加し、ジャケットも新たに再リリースされたのが本品。今日の彼らの成功を踏まえてこちらを聞き直すと、まあ彼らは無理な独創性よりも、そうしたブラックメタルのスタンダードの一つの形を洗練させていく未来を当初から見据えていたんだろうなと思う。そういう意味では当初からかなり垢抜けていたし、この再発に際してリマスタリングも施されているので、今日においても鑑賞に堪える音像となっている。ただまあ、彼らの本領は2作目のフルアルバム"Vobiscum Satanas"からだとは思うのだけど。BATHORYカバーも、良くも悪くも完コピなんだよね…。

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"The Secrets of the Black Arts"DARK FUNERAL

1stフルアルバム。先のミニアルバムと同じです。以上…じゃダメデスかね?一直線にカっとばす曲調ばかりなので、単調さが否めない。悪くはないんだけど、これが出たとき既にMARDUKが"Opus Noctune"出してたわけだしねぇ。同じようなスタイルの上、そっちの方が断然工夫を凝らされていて、面白いしカッコいいぞとどうしても思ってしまう。VONのカバーとかもやってるんだけど、なんかな…なんかな。

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”Vobiscum Satanas"DARK FUNERAL

リーダー以外のメンバーをなんと総入れ替えして制作された2ndフルアルバム。結局それが完全に功を奏したということなのだろう。前作までの単調さはどこへやら、楽曲の隅々までに起伏が行き渡り、音楽的に飛躍的に豊かなものへとなっている。勿論非常にドラマティックだし、ただノリに任せるのではない、聴き込むに値する音楽性が確立されている。ここで彼らはようやく、MAYHEMからの影やMARDUKとの相似性からほぼ完全に脱し、オリジナリティを打ち出すことが出来たのだ。ブラックメタルとしてはもう完璧に一級品。しかし彼らはこれに甘んじることなく、次作でさらなる進化を遂げるのだ。

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"Diabolis Interium"DARK FUNERAL

今度はベースとドラムを交代させて制作された3rdフルアルバム。本作で彼らは商業的にも結構な成功を収めたそうだが、そりゃ売れますよこれは。既存のブラックメタルの作曲スタイルに変にとらわれることなく、ブラックメタル好き以外にも魅力を伝えられる曲書くようになりましたから。直接的なメロディも惜しまず打ち出すようになり、メリハリが断然ついてきた。これなら前作ですら退屈に感じた人も、耳を離せないだろう。しかしそれでいて、従来からの芯はまったくぶれていない。むやみに自らのスタイルを破壊したり逸脱するようなことはしていない。その上でこれだけの音を描けるようになったのだから大したものだ。正直デビュー当初は、これほどまでの可能性を秘めたバンドとは微塵も思ってませんでしたから…。