EXOTO/KREATOR

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"Carnival of Souls"EXOTO

知る人ぞ知るベルギー産デスメタルの名バンドのデビューアルバムが、ついに再発された。このバンドはEPの時点で、日本でも某バンド兼ディストリビューターが大プッシュ。やがて姿を表したこのデビューアルバムも、その充実した内容に思わず唸ったものだ。このバンドは、とにかく緩急巧みな楽曲が素晴らしい。しかもそれを、プログレメタル的な方法論に頼らず、あくまでユーロデスの範疇で実現しているところに、このバンドのある種のプライドを感じる。中でもスローからファストへと美しいフレーズで疾走していく"After Death"は出色の出来だと思う。今回の再発はリマスタリングが施されており、このバンドの本来の持ち味でもある音像の生々しさが若干抑えられている気もするが、それゆえにききやすくなってる感もある。ボーナストラックとして、2ndアルバム"A Thousand Dreams Ago"制作前のデモが収録されているが、これがまた凄まじいクオリティ。本当、もうちょっと報われても良かったバンドだと思いますよ。ブックレットやバックインレイは元盤のものをかなり精巧に復刻。至れりつくせりの素晴らしい再発です。

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"Endless Pain"KREATOR

ジャーマンスラッシュメタルゴッド、KREATORの記念すべきデビューアルバム。この時点ではまだツタツタスパスパのノリは見られず、VENOM直系のドコドコのノリでシャカリキに疾走する。ほんのちょっとジャーマンスピードメタルの香りもするようなしないような。ミレやヴェンターのヴォーカルはこの時点でもうキレまくってるし、ヴァイオレントであることは間違いないのだけど、古典的メタルの面影が色濃く出ていることもあってか、全編とおしてかなり聞きやすい。演奏面はさすがに青さが目立つものの、それでもジャーマンビッグ3のデビュー作の中では一番上手い。何せ次作がスラッシュメタル史上最高傑作であるために、今作はどうにも影に隠れがちですが、後回しでもいいので一聴の価値は十分あると思います。

CENTINEX/CEMMENT

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"Malleus Maleficarum"CENTINEX

スウェーデンデスメタルバンドの、1996年リリースアルバム。メタル辞典ではコンピレーション・アルバムになっているが、そもそも何のコンピレーションかが曖昧で、日本国内のWeb情報を見るとばっさりと2ndアルバム扱いとして語られている。DISMEMBERのような所謂「そういう音」だが、ブラックメタルのようなテイストも少なからずまぶしこまれてる気がする。DARK FUNERALがスウェディッシュデスを志向すると、こんな感じになるのかな?あとブラストが入ると(リズムがバラけるのもあってか)アルバムデビュー当時のTHUS DEFILEDを彷彿させたりも。楽曲が中々印象的で、演奏も概ね安定している。一級品とまでは言えないものの、それに迫るものは感じ取れ、この手の音が好きな人ならば聴いておかねばならないだろう。それにしてもメタル辞典調べてびっくりしたのだが、これだけのバンドにも関わらず、2000年代に入るまでロクなディールに恵まれてない。本作に至っては、初出はなんと悪名高きWild Ragsからである。2000年代に入ってようやくCandlelightと契約。中々泣けてくる。

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"Donor"CEMMENT

横浜のバンドの、1996年リリース2ndフルアルバム。一言で言い表すならば、インダストリアルスラッシュメタルになるのだと思う。ただこのバンドに関して第一に特筆すべきなのは、古典的なスラッシュメタルが確固として核にあるということ。FEAR FACTORY等を意識したようなフレーズやリズムも一応見受けられるのだが、リズムに冷徹さや非人間性を打ち出しているわけでもないし、古典的な泣きを交えたギターソロを聴かせたりもする。後のエクストリームミュージックにつながる感性はあまり感じられず、あくまでスラッシュメタルの範疇に留まった音である。実はこれ、大変格好いいのだ。メタルの旨味をむやみに捨てることなく、メタル者的にも分かりやすいインダストリアルミュージックの部位を巧みに組み合わせ、このバンドならではの個性を見事に確立している。次作"Antithese"はちょっとFEAR FACTORYっぽくなりすぎた感があるので、個人的にはこの頃が一番好きだ。少し前に再結成して、現在も活動中。

DARK FUNERAL

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"In the Sign…"DARK FUNERAL

今や人気バンドとしての地位を確立したDARK FUNERALだが、個人的には正直、デビューした頃はあまり印象が良くなかった。彼らがデビューした1994年なんてのは、ブラックメタル黎明期として最高の時期で、これまでまったく聴いたことのない音を轟かせるバンドが次から次へと絶え間なく出てきてたほどなのだが、そんな中彼らがやってたことは、MARDUKにMAYHEM風味を加えただけにしか聞こえなかったから。そりゃ確かに格好よくはあったけど、あの頃はどっかで聴いたことのある音にわざわざお金や時間を割く意味を感じなかった。そんな彼らのデビューミニアルバム"Dark Funeral"に、BATHORYカバー2曲、ライブトラック3曲を追加し、ジャケットも新たに再リリースされたのが本品。今日の彼らの成功を踏まえてこちらを聞き直すと、まあ彼らは無理な独創性よりも、そうしたブラックメタルのスタンダードの一つの形を洗練させていく未来を当初から見据えていたんだろうなと思う。そういう意味では当初からかなり垢抜けていたし、この再発に際してリマスタリングも施されているので、今日においても鑑賞に堪える音像となっている。ただまあ、彼らの本領は2作目のフルアルバム"Vobiscum Satanas"からだとは思うのだけど。BATHORYカバーも、良くも悪くも完コピなんだよね…。

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"The Secrets of the Black Arts"DARK FUNERAL

1stフルアルバム。先のミニアルバムと同じです。以上…じゃダメデスかね?一直線にカっとばす曲調ばかりなので、単調さが否めない。悪くはないんだけど、これが出たとき既にMARDUKが"Opus Noctune"出してたわけだしねぇ。同じようなスタイルの上、そっちの方が断然工夫を凝らされていて、面白いしカッコいいぞとどうしても思ってしまう。VONのカバーとかもやってるんだけど、なんかな…なんかな。

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”Vobiscum Satanas"DARK FUNERAL

リーダー以外のメンバーをなんと総入れ替えして制作された2ndフルアルバム。結局それが完全に功を奏したということなのだろう。前作までの単調さはどこへやら、楽曲の隅々までに起伏が行き渡り、音楽的に飛躍的に豊かなものへとなっている。勿論非常にドラマティックだし、ただノリに任せるのではない、聴き込むに値する音楽性が確立されている。ここで彼らはようやく、MAYHEMからの影やMARDUKとの相似性からほぼ完全に脱し、オリジナリティを打ち出すことが出来たのだ。ブラックメタルとしてはもう完璧に一級品。しかし彼らはこれに甘んじることなく、次作でさらなる進化を遂げるのだ。

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"Diabolis Interium"DARK FUNERAL

今度はベースとドラムを交代させて制作された3rdフルアルバム。本作で彼らは商業的にも結構な成功を収めたそうだが、そりゃ売れますよこれは。既存のブラックメタルの作曲スタイルに変にとらわれることなく、ブラックメタル好き以外にも魅力を伝えられる曲書くようになりましたから。直接的なメロディも惜しまず打ち出すようになり、メリハリが断然ついてきた。これなら前作ですら退屈に感じた人も、耳を離せないだろう。しかしそれでいて、従来からの芯はまったくぶれていない。むやみに自らのスタイルを破壊したり逸脱するようなことはしていない。その上でこれだけの音を描けるようになったのだから大したものだ。正直デビュー当初は、これほどまでの可能性を秘めたバンドとは微塵も思ってませんでしたから…。

 

EVIL ARMY/BARBATOS

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"Command,Attack and Destroy"EVIL ARMY

メンフィスにて活動をしているトリオの、過去のEP収録トラックをまとめた編集盤。ギター/ヴォーカルのRob Evilの投獄歴や、過去のベーシストが2人既にこの世にいなかったりと、中々の不穏さを感じさせるバンドであるが、音の方もそんなイメージに違わぬスリル感を発散している。表面的には曲によってハードコアパンク要素があるので、クロスオーバーに分類すべきか悩むところなのだが、中身はやっぱり髄までメタルでしょう!でなければBATHORYの"The Reaper"とかこんな本家以上に格好よくキメられないし、"I,Commander"みたいなクラシックスの風格すら漂わせる曲は書けないもの。音もフレーズもキレッキレのギターもさることながら、やっぱりこのバンドは殺気立ったヴォーカルが要。そしてその2つを担ってるRob Evilが、やっぱこのバンドにおける要のポジションなんだろうなーとも思う。こう言っちゃなんだけど、やっぱメタルやロックは、リアルなワルさが格好良さに結びつくところがあるよ。セイムタイトルのデビューフルアルバムも必聴ものの素晴らしさです。

 

 

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"Straight Metal War"BARBATOS

このバンドは日本のブラックスラッシュメタルバンド、ABIGAILのリーダー、ヤスユキ氏のサイドプロジェクトであり、本作で5作目のフルアルバムとなるそうだ。ABIGAILはデビューアルバムをよく聴いたが、それ以外は知らない。このバンドも今回このアルバムで初めて聴くこととなった。所謂メタルパンクのカテゴリーに入る音だと思う。アップテンポながらも弛緩したドラムが、パンクの部分を主張している。このバンドの聴きどころはその上に乗っかっているギターで、ABIGAILでもキレッキレの刻みを聴かせるJERO氏に加え、最近一部で話題沸騰のパワーメタルバンド、SIGNIFICANT POINTの竹内氏が、色気のある泣きを発散しまくっている。ヴォーカルもそれに呼応するかのように、刺々しいダミ声シャウトのみならず、うらぶれた感じのクリーンヴォイスでも歌っている。曲調もパンキッシュな曲のみならず、まるで90年代前後のジャパメタを思わせる曲の存在が際立っている。他のメタルパンク系同様、ルーズな匂いの強い音なので、その辺で好き嫌い分かれる気がする。個人的には、面白いとは思ったけど。

僕は今年、ロックに一切の投資をしないと決めてたんですよ。もちろんメタルもロックの一派ですからそれに含めて。ちょっとメタルとかグラインドコアとかへの依存が酷くて、生活に影響すら出てたので。去年末までに注文したものは今年に入ってからもちらほら届いてるんですが、それ以外はもうなしにしなければと。

そんなロック依存を少しでも正したいってのもあって、昨日サテライトヤングというSynthwaveグループのライブを観に、上京してきたんですよ。そしたらいつの間にか、ディスクユニオンの大きい袋を抱えててですね…

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ちくしょう!だいなしにしやがった!お前はいつもそうだ。

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このCDはお前の人生そのものだ。お前はいつも失敗ばかりだ。

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お前はいろんな誓いを立てるが、ひとつも達成できない

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誰もお前を愛さない。

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あーもうなしなし。今年ロックに金出さないとかなし!

3月の熊谷のラフィンも見に行くかー。

BURZUM/WATAIN

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"Burzum/Aske"BURZUM

BURZUM衝撃のデビュー作に、EP"Aske"を加えたCD。所謂プリミティブブラックメタルのスタイルは、実はこの1992年リリースのアルバムの時点で、既に完成されていたのではないかと思う。そしてこのアルバムが凄いのはそれだけではなく、確固とした芸術的美意識でもって、闇の深淵と狂気を見事に描き出しているところだ。ルーツには明らかにBATHORYとCELTIC FROSTがあれど、それらのコピーには決して陥っていない。これをちゃんと聴いてしまうと、以降のDARKTHRONEもGORGOROTHもEMPERORもどこか子供だましにすら聞こえてしまう。BURZUMというと主宰者のVarg Vikernesの教会放火や人殺しのイメージがあまりに強いが、少なくとも人を殺す前の作品、その中でも本作と次作"Det som engang var"はメタル史に爪痕を残して然るほど、純粋に芸術として類稀な才覚を発散している。Vikernesがもし殺しに手を染めることなく純粋に芸術家としてキャリアを進めていたらどうなっていたか…いや、でも投獄前に完成していた3作目がショッパすぎたから、どのみち早々に才能は枯渇していたかもしれんね。何にせよ、本作と次作は、ブラックメタルに興味があるなら真っ先に聴いておいたほうがいいですよ。

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"Satanic Deathnoise from the Beyond"WATAIN

1349といいこのバンドといい、人気バンドがこうして過去作をまとめて廉価で提供してくれるのは本当にありがたい。最新作を除いた過去4作を、ほぼ1作分の価格(Amazonマケプレ調べ)で聞けてしまうスグレモノ。DARK FUNERALを彷彿とさせるファストブラックの1st、初期MAYHEM等への憧憬を露わにし、あの時代のミステリアスな雰囲気を体現した2nd、MERCYFUL FATEやDEATH SSなどを思わせる妖しい甘美さを取り入れ始めた3rd、全体的に著しく洗練され、エクストリームメタルとしてのポピュラリティを獲得した4th(特にラスト曲"Waters of Ain"は圧巻!!)と、全作余さず耳が離せない。初期作ほどかなり強烈なブラストを連発はするけど、後期にいくほどブルータルとは縁遠くなるので、MARDUKみたいなのはちょっと・・・という人でも安心して楽しめるだろう。とてもいいね。

久々のブックオフめぐり

色々落ち込むことも多くて、気晴らしの必要を感じてたところに、ブックオフの業績悪化のニュース。

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各店舗、営業時間の短縮や店舗リニューアルを発表してきてるんで、そろそろ今後分からねぇかな?と思い、久々に地元の店舗を一通り回ってみた。その成果が以下のとおり。

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"Killing Technology"VOIVOD
"The First Years of Piracy"RUNNING WILD
"Heart of Darkness"GRAVE DIGGER
"Closer to Heaven"FM
"Twilight of Olympus"SYMPHONY X

いきなりVOIVODのこれを拾えて心中ガッツポーズ。RUNNING WILDは旧譜が軒並み手に入れられなくなってるのでベスト盤でも押さえておいたほうがいいでしょう。あとは適当な趣味です。