HEARTFUL MELODY

基本YOU TUBEに上がってる音源を貼って文章を併記するスタイルですが、YOU TUBEに1曲切り出しの形でない場合(音源フルでしか上がってない場合含む)は、画像のみの掲載とします。

お知らせ

っつっても、定期購読者一人いるかもわかりませんが。いいんだよそういう落書き場なんだから!

今後、本ブログにて、エクストリーム系の音楽(デス、ブラック、ハードコア、グラインドなど)を取り上げるのやめることにしました。

ちょっと自分自身にとってヤバイことに気づいて、速攻でこの手の音楽から極力距離を置いていこうと決めたからです。

ていうか、メタル全般自体、ここで言及するのは控えめにするつもり。もう歳なんで、音楽の趣味も変えていかなきゃと思う今日このごろなんです。

メロハーとかね。

AORとかね。

フュージョンとかね。

攻撃性を追い求めるのはもう終わりだよねー。周りもいよいよみんな歳なんだしさ。

ただ、この手の音楽に対しては、音源はそれなりにあるものの、体系的な知識は皆無なので、これまで以上に頭の悪い軽薄な内容になっていくと思います。

ブログ名も変えます。今考え中。ハートフルメロディなんて名前はどうでしょう?

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ただ

今注文してるグラインド系のブツで、最後にこれだけはじっくり聞いてしたためたいというのが2つあるので、それだけは書かせてください。

それが終わったら、本ブログは全面改装します。過去ログはそのままにしときます。

ではでは。

ATTACK

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■"Return of Evil"ATTACK

実はメタル色が希薄だったデビュー作からうってかわり、ついにメタルバンドらしくなっていた2ndアルバム。1985年のジャーマンメタルといえば当然ACCEPTの絶大な影響下だったわけだが、ATTACKはそうした影響をほぼ受けず、ブリティッシュメタル色の強い音楽性を独自に追求していたのが興味深い。曲の出来には波があったり、モロにIRON MAIDENな場面が随所で飛び出したりと、正直B級品どまりではあるが、それでもRicky Van Heldenの孤高の美学が繊細に積み上げられた力作であることには違いない。後年のATTACKの作品のファンも、この2作目は聴いておかなければならないだろう。後年の音源で再収録される"Dirty Mary"、"Indian Lady"収録。

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■"Destinies of War"ATTACK

ジャーマンパワーメタル色を取り入れ、前作から大きな飛躍を果たした3作目(本当はお蔵入りアルバムを一作挟んでいるのだが)。恐らくはHELLOWEENやRUNNING WILDの台頭に危機感を抱いたのであろう。その2バンド同様のキャッチーさを打ち出してはいるが、一方でそれまでのブリティッシュメタルからのルーツを捨てたわけではない。JUDAS PRIESTやIRON MAIDEN譲りのこの高潔なオーラは、先述の2バンドにはないものだ(彼らもまたルーツを同じくするとはいえ)。冒頭のナレーションのイントロから炸裂するファストナンバー"Wonderland"から、バンド史上最強の名曲でもある"Death Rider"、そして重々しく厳かな"The Last Surviving Man"、温かい泣きのメロディが心の芯まで響くラスト曲"Destinies of War"まで、一音たりともスキを見せないほど本当に圧倒的な流れだ。随所に配された穏やかな叙情もまた見事で、高らかで美しい音楽としてのヘヴィメタル愛する人ならば、必ずや目頭を熱くすることだろう。Ricky Van Heldenのヴォーカルも、物理的には相変わらずか細いままのはずなのに、不思議な力強さを響かせるようになってきた。問答無用の名盤であることなど、言うまでもない。個人的にはジャーマンパワーメタルというジャンルにおいての無冠の最高峰だとも思っている。

…こんな歴史的名盤として本来重んじられるべきアルバムなのに、世間的にはかなり安っぽいイメージで捉えられているよね?自分自身、今回改めて聞きなおすまで、こよなく愛してきてはいても、それは正直あったよ。それはれっきとした理由があってね・・・。本作はタイトル曲"Destinies of War"で締めくくる9曲が原典の姿なんです。それが、その後の再発で"In This Night"、"Way out of Hell"、"Wardance"なる曲が、ボーナストラックだかなんだか不明瞭なまま追加されちゃって・・・"Wardance"はまだいいんだけど、他2曲が滑っちゃってる曲なんですよ。"Way out of Hell"は音質からして異質("Seven years in the Past"のボツ曲か?)。嫌いではないし、未発表トラック集にでも収められていたら素直に楽しめるだろうけど、こうした完全無欠なアルバムが相容れる曲じゃないです。ボーナストラックが本編を損ねる典型。しかしこれらのボートラ入りが現在標準フォーマットになってしまってるので、本作は各自で9曲目で本編は終わりという意識を持って聴きましょ。

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■"Seven Years in the Past"ATTACK

明確にジャーマンメロパワ路線へと以降した1992年リリース4作目のオリジナルフルアルバム。まず一聴してのけぞるのが、簡素過ぎるサウンドプロダクション・・・中でも深刻なのがドラムで、ポスポスと軽い音の上に、叩いてるのがなんとRicky Van Helden。リズムキープは出来ているものの、必要最低限の演奏であり、ここらが本作のスケール感を大きく殺いでいるのは間違いない。ディールを失い低パジェットでのレコーディングを余儀なくされていたということだが、Ricky Van Heldenほどのこだわりの人であるなら、ここは何かしらで予算が取れるまで制作を待って欲しかったところだが、とりあえず簡素でもジャーマンメロパワな音源作って日本に売り込もうという思惑のほうが先行したのかなあ。当時の日本は確かにジャーマンメロパワの圧倒的な供給不足で、そういう音ならもうゴミでもカスでも飛ぶように売れた時期はあったからねぇ・・・。曲自体は素晴らしい素地のものが揃ってます。それはもう前作に負けていないくらい。捨て曲ないです。あとギタリストは本作にて新たに入った方ですが、流麗で印象的なソロをバンバン連発しており、こちらも素晴らしい仕事をしております。このATTACKってバンドは本当にギタリストにはめっぽう恵まれるバンドですね。しかしこの簡素な作りでは・・・さすがに前作と比べるべくもない。そういえば2作目収録の"Indian Lady"の再録も行われてますが・・・ぐぬぬぬ。今からでもリレコーディングしてくれませんかね?B級ジャーマンメロパワという前提でしたら、かなりの秀作であり、買って損はないと思います。

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■"Revitalize"ATTACK

"Seven Years in the Past"、"Destinies of War"の日本盤発売がなんのかんので成功したため、新曲と他過去曲の紹介を目的とし制作されたコンピレーション盤。本作制作時にはバンドが再編されており、専任ドラマーも3rdにいた方が復帰している。そうした体制で制作された新曲3曲がまず素晴らしい。単純にカッコいいです。"Seven Years~"と同路線のジャーマンパワーメタルであるが、ドラマー含めてバンドが固まっていると、この路線でもやはりこれだけ良いものが出来るというわけだ。過去曲収録については、1st、2nd収録曲はリレコーディングされているが、バンドの面子もスタイルも変わっていると、良くも悪くも原典とは大きく変わってきてしまう。4th収録曲はリミックスされたり音加えられたりしているようだが、正直あまり違いを感じないし、そんなんだったら真っ先にドラム差し替えて欲しかった。そんでもって、3rdからが2曲ってのが寂しいねぇ。まあなんのかんの言いつつ、新旧の音をおおざっぱながら網羅できるということで、初めてATTACKに触れるにも適しているアルバムになってるとは思う。オリジナルアルバム揃えている人も、新曲3曲は本作にしか収録されていないので、やっぱり買っておかなければなりません。

なお、本作も数回再発されているが、そのたんびに曲順、収録曲が少なからず変化しているので、注意が必要である。個人的には、一番最初に発売された日本盤が一番バランスよいかな。

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■"The Secret Place"ATTACK

日本盤発売以降、活動の地盤がようやく固まってきたATTACKが、満を持して世に放った5作目のフルアルバム。前作は不幸な経緯によって残念な出来になってしまったが、安定した環境を得て制作された本作は、名盤3rdに迫るくらいに素晴らしい内容だ。さらにパワーメタル色を強めており、エピカルで繊細な感触が後退しているのはやや寂しいが、それでもRicky Van Heldenのフルートやチェロを生かした叙情的な展開は随所に配されており、そうした感性を失ったわけではない。何より、パワーメタルとしてこのスキのない完成度はどうだ。勿論捨て曲などありませんし、ともすれば同じような曲そろいになってしまいがちなこのジャンルにおいて、各曲の表情をこれだけ豊かにつけられるというのは本当に凄いよ。演奏面では、前作より復帰したドラマーの貢献大。ドラムソロ主体のインスト曲を一曲やってるけど、やっぱリーダーの片手間プレイとは大違いだねぇ。本当巧い方なんだけど、彼は何者?メタル辞典見てもイマイチ素性が分からない(FAIR WARNINGの日本公演で来たり、最近だとALMANACにいたようですが)。ギタリストはまた2人とも交代してますが、新任者もまた何の不安もない仕事をしております。もしかしたらギターは作品ごとにセッションミュージシャン雇ってるのかもね。

なお、本作がATTACKとして現時点で最後の作品となってしまっている。"Deadlocked"なるアルバムを1996年にレコーディングして未発のままになってるようだけど、このタイトルからして?!な感じだよな。あと幻の3rdアルバム"Beastkiller"についても、Ricky Van Heldenからのコメントが二転三転してるんだよな。正直この御仁、少々胡散臭い感が否めない。今後のオリジナルアルバムとしての新作は、もう期待しないほうがいいのかも。まあそれでもこれまでこれだけ素晴らしいアルバムを残してくれたのだから、それで十分ですが。

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■"Warriors of Time"ATTACK

現時点で最新のATTACKアイテムは、この2011年リリースのベスト盤となる(再発を除く)。"Revitalize"とは全く別の新規のベスト盤なので注意。1st、2ndの曲は、"Revitalize"以降の新録バージョン。また、収録時間削減のため、一部トラックはイントロが削られたり編集されたりしている。リマスターされているとはいえ、こういう手が加えられているのであれば、価値半減。正直内容的には、"Revitalize"も含めてこれまでのアルバムそろえていれば用のない代物なのだが、長らく音信普通だったRicky Van Heldenの近況コメントが記されているということで、僕は買った。そんだけです。

BURIAL/BLASPHEMY/ALTAR

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■"Relinquished Souls"BURIAL

オランダ産デスラッシュバンドの、1993年リリースの唯一のフルアルバム。幾度か再発されているアルバムだが、初出のレーベルはなんとWest Virginia。そう、HOLY MOSESのSabina Classenがやってたレーベルだ!そうとなれば何かしらのスペシャルなものを期待したくなるが、それに十分応えてくれる内容になってると思う。"Spiritual Healing"の頃のDEATHとスラッシュ期のSEPULTURAを掛け合わせたような音で、時に同郷のPESTILENCEを彷彿とさせるところも。初期デスの禍々しさとスラッシュ魂を併せ持った音で、とにかく熱い!!何よりドスの利いたヴォーカルが大変迫力ある。デス系はやはりというかなんというかヴォーカルが適当なことも多いんだけど、正統派メタルと同じくらいヴォーカルの質は重視されるべきなんですよ本当は。これだけのバンドが1枚しかアルバム出してないっていうのは本当にもったいないね。ボートラで収録の初期デモも大変美味。かなりおススメの1枚です。

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■"Fallen Angel of Doom"BLASPHEMY

ウォーブラックメタルの帝王、BLASPHEMY。90年代はゴミとしか認識されてなかったはずのバンドなんだが、ここ10年のウォーブラックメタルブームで急に神格化されてきた印象がある。アルバムデビュー前のデモを聴くと、初期SODOMをギャング化させたような怖いスラッシュ/デスメタルといった印象だが、この1990年リリースのデビューアルバムではさらにグラインドコア(それも、パンクルーツに大変忠実な)の要素も加わり、デモでは間違いなくあった整合感が崩壊、本作単体では多分誰も何がなんだか分からない、ノイズ度が極めて高い内容となっている。悪いこと言わないから、このバンドはデモから順番に聴きましょう(2ndアルバムに標準仕様として併録)。デモで楽曲の輪郭をちゃんと把握した上で聴くのであれば、1990年前後のアンダーグラウンドのクレージーでデンジャラスな魅力に溢れた凄まじいアルバムとなる。ウォーブラックってこんなハチャメチャなところが起点になってるんだから、やっぱおいそれと手出しちゃいけない領域なんだな。

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■"Gods of War"BLASPHEMY

1993年リリースの2作目のアルバム。前作よりは整合感が出てきたものの、やはりこれ単体では何がなんだか分からない音像は相変わらずである。自分これリアルタイムの2年後くらいのタイミングで買って聴きましたけど、当時もさっぱりワケ分かりませんでしたね。本作もデモまでさかのぼって聞いてないと理解不能の高難易度作品。しかし幸いなことに、本作は標準仕様としてそのデモ"Blood Upon the Altar"も併録されている(カセット版には入ってない模様)。なのでBLASPHEMYに初めて触れる人は、まず本作の11トラック以降の"Blood Upon the Altar"を数回聞いたうえで、1stアルバムや本2ndアルバムの本編と対峙しましょう。そうすれば逆に理解は容易のはず。一緒にこの常軌を逸したデンジャラスメタルにやられましょう。

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■"Youth Against Christ"ALTAR

デモ集CDでブッ飛ばされて、早速買ってみたオランダのALTARの1994年リリースのデビューアルバム。デモで聴かせたMORBID ANGEL、DEICIDE直系のプレブルータルデスメタルが、期待通りアップデートされた姿で納められている。引き合いに出したその2バンドの禍々しさ、不穏さを後退させて、一方剛直さとマッチョ性をより強調したスタイルと言えるか。ファスト、ブラストで怒涛の如く突進するところは文句なしにカッコいいんだが、剛直さが仇となってか、スローな展開にさしかかるとやや精彩を欠く感はあるし、全体として実はキャッチー感も欠いてるのは残念。演奏力で楽しむバンドかもね。

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■"Ego Art"ALTAR

1996年リリースの2作目。前作からテイストをやや変えて来ている。まずスラッシュ色を強めてる感があるし、その上でユーロデス的なウェット感、当時流行ってたグルーブメタル感、FEAR FACTORY的なモダン感など、柔軟に様々な要素を試みており、前作よりもはるかに色彩豊かな作品へと仕上がっている、結果前作で気になったキャッチー感の欠如も乗り越えているんではないか。反面こういうアルバムはストイックなデスメタルを求める人には不満が残るかもしれないが・・・。なお、ブラストの猛攻はところどころで健在なので、その辺求める人はバッチリだと思います。重々しくうねってタメた後でブラストが大炸裂するの最高です。つうかこのバンドやっぱり巧すぎ。自分は気に入りました。

SADISTIK EXEKUTION/GROUND CONTROL/THE COMPANY

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■"K.A.O.S."SADISTIK EXEKUTION

前作がタイトルから中身まで抱腹絶倒モノだったSADISTIK EXEKUTIONの通算3作目。とはいえその前作は全体通すとわりと散漫というか適当気味な印象はあった(ちなみに、1stは聴いてないです)。デスかブラックどちらにいるかの境界もはっきりしなかったし。しかし今作は違う。前作のクレージーさは勿論そのままに、いよいよ作品として一本筋通ってきた。やはりこのバンドは、所謂ベスチャルブラックメタルのカテゴリーで語られるべきなのだろう。BLASPHEMYや同郷のBESTIAL WARLUSTと同系統の、凄まじい轟音ブチ切れ爆走サウンドであり、今にわかにブームになっているその手の音が好きな人であれば、必ずやハマることだろう。これはシリアスにカッコいい。これは素晴らしい。バリクソ巧いし。本作、大元は地元レーベルによる地元限定販売品だったそうで、後年結局Osmoseがワールドワイド流通盤を出しているのだが、こちらには66トラック目より5曲のボーナストラックが加えられている。どういう素性のトラックかは明らかではないのだが、こちらも本編同様のブチ切れベスチャルメタルで最高にカッコいい。

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■"Insanity"GROUND CONTROL

イタリアのスラッシュ/パワーメタルバンドの2006年発表のデビューアルバム。これがかなりの掘り出し物だ。この時代にして、ANNIHILATOR、初期ANTHRAX、"In Search of Sanity"の頃のONSLAUGHTを彷彿とさせるスマートなタイプで、ヴォーカルはジョーイ・べラドナのような伸びやかなハイトーンを響かせるタイプ。最後のトラックでそのANTHRAXの"Metal Thrashing Mad"のカバーもやっている。演奏も曲もクオリティは非常に高い。ヴォーカルの音程がちょっぴり不安定なのが残念だが、あくまでちょっとツメが甘い程度なので、特に今の時代においては取り沙汰すことでもない。何よりこうしたスタイルをこれだけのクオリティで21世紀になってやってくれてたのだから、つまらん批判は無粋だろう。このバンドはあと一作残しているということで、早速某所にて注文した。届くのが楽しみだ!!

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■"The Company"THE COMPANY

元HEATHENの名手、Doug Piercyを擁していたドイツのスラッシュ/パワーメタルバンドのデビュー作。速い曲もあるにはあるので(但し1曲目とラスト曲だけ)、HEATHENの幻影を追い求めてきた人の期待にもちょろっと程度は答えてくれるだろうが、アルバム全体としてはグルーヴメタル色の強い音を標榜している。それはまあいいんだけど、リズムもヴォーカルもキレ悪くてなぁ。ヴォーカルとか、HEATHENのVo、Davidですら誰でも歌えそうだよなと思ってたのが、これ聞くと「Davidって巧かったんだなぁ・・・」と思っちゃうもの。自分としては守備範囲外の音なんですが、この手に長けてる方の耳からしたら、どんなもんなんですかね、このアルバム。速い曲だけ抜き取って極私的な評価を試みるにしても、額面どおりHEATHENの1/4の魅力しか感じ取れない。ただ、どヘヴィでグルーヴィながらもUSスラッシュ/パワーメタルの旨みを含んだ楽曲もあったりはするので、油断は出来ないんだが。サバスっぽいギターの鳴りもあっていいな・・・なんのかんの言いながら、全編聴けてしまってます。悔しいから「楽しめた」とは言いたくない。12曲目でT-REXの"Children of Revolution"のカバーをやってます。

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■"Frozen by Heat"THE COMPANY

2作目のオリジナルフルアルバム。前作では演奏や歌のこなれてなさ加減が気になっていたが、その辺は単純に改善されているので一安心。さて、やはりHEATHENの幻影を求めてくる客が多かったのか、本作では速い曲、パートが増えている。冒頭から2曲続けてHEATHENばりのスラッシュナンバーだ。ヴォーカルの声質が似ていることもあってか、同時期のRAGEにベイエリアクランチを加えたようにも聴こえる。4、5曲目もグルーブを交えつつもファストに展開するし。しかしなんというか、1stで聞かせたグルーヴメタル的志向と、DougのHEATHEN的スラッシュメタルの志向が、融合に至らずケミストリーも生まず(←ここ重要)ただせめぎあっているように感じるのだ。これ実は、グルーヴメタルのファンにとってもHEATHENファンにとっても喜ばしい志向ではなかった。中途半端だからだ。これが出た頃グルーヴメタルのリスナーは「おっさんメタラーは新しい音を受け入れられなくて頭が固い」みたいに言う奴凄い多かったんだけど、向こうだって元来のスラッシュメタルをロクに理解しやがらなかった。つまり、どちらのリスナーにとっても50パーセントは不純物にしかならないのだ。そしてこれまでを見てきても、その2つを双方の層とも納得させるレベルで融合させた例は、自分は知らない。実際このアルバム、凄い中途半端な印象だ。演奏に難があれど、前作のほうが筋が通ってたかもしれない。部分的にHEATHENってだけの音聴くなら、HEATHENそのもの聴くよね。そんな結果をバンド自身も察してか、本作完成後、Dougは脱退。バンドはグルーブメタルに徹することとなる。

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■"Awaking Under Dogs"THE COMPANY

というわけで、Dougが抜けた後の3作目フルアルバムは、晴れてピュアなグルーブメタルバンドとなりましたとさ。スラッシュ/パワーメタル色は殆どありません(ちょろっとだけあるけど)。結局Doug以外の3人はこういうのがやりたかったということで、そのほうが良い結果出るに決まってるよな。実際前作のような中途半端さはないし。と言いつつも、1作目で聴かせた、単純にグルーヴメタルにDougのエッセンスを生かした路線で、もうちょっと先を聞きたかった気もする。サバスっぽいギターの鳴りとかね、あれはDougの世代ならではだったと思うから。グルーブメタルは完全に守備範囲外なので、本作の評価は僕には下せません。詳しい方お願いします。

SADISTIK EXEKUTION

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■"We Are Death... Fukk You!"SADISTIK EXEKUTION

ブラックメタル黎明期の主力レーベルだったOsmose Productionが売り出した音源は、当然のごとく余さずチェックしたものですが、このアルバムはこのタイトルでスルーしましたね。ウィアーデスファッキューって(苦笑)。このネーミングセンスは中学生かよ!それから20年以上がたち、遅ればせながらちゃんと聴いてみようかと、ヤフオクで安くこのアルバムゲットしてきて聞いてみたんですが、やっぱり中学生魂炸裂なアルバムでした!本作のハイライトは、ウィアーデスファキュ~と叫ぶ3トラック目"Internal Klok"でしょう。曲もかなりクレージーでイカしてます。他曲でもところどころでファックファックと叫びまくってます。デス/ブラックメタル聴いてゲラゲラ笑えることなど、そうめったにあるものではありません。実は本作、ジャケ絵を見れば分かるとおり本来はセイムタイトルなんですが、レーベルに送られてきたマスターテープのインデックスにウィアーデスファッキューと殴り書きがしてあったため、レーベルがアルバムタイトルと勘違いしてこのタイトルになったそうです。アルバム全体としては、ちょっと適当すぎかなぁ。MAYHEMの"Deathcrush"が好きなら気に入るかもね。

WERESQUATCH/GLADIUS/TERRAVORE

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■"Frozen Void"WERESQUATCH

オレゴン産若手スラッシュメタルバンドのデビューアルバム。お馴染みStormspellからのリリースです。ドラムは解散してしまったGLADIUSの方です。ざっくりと表現するなら、80年代後期のKREATORに、ベイエリアクランチを加えたような音を聴かせる。フィンランドのA.R.G.の2作目を想起させる音でもあるが、あそこまでの安定感はないwこの手の新世代スラッシュは、おぢさん世代から見るとどうしても付け焼刃臭がありがちなのだが、このバンドについてはそういったものはなく、おぢさんでも安心して聴いて楽しめる。80年代を中々よく研究されてるんじゃないでしょうか。8曲というボリュームも丁度いいね。気軽に聴ける。中々の良盤です。

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■"Age of Barbarism"GLADIUS

オレゴン産スピードメタルバンドの、唯一のフルアルバム。本作もStormspellリリースである。バンドは2016年に解散してしまった。小手先なしで全パート一体になり怒涛のごとく突進する音は中々迫力を感じさせ、特に凄まじくヒステリックでドスを効かせたヴォーカルは、聞く人誰もが耳を引かれることだろう。しかしそれ以上の何かが見出せないのが辛い。押し引きの妙味で面白さや気持ちよさを感じさせるところもないし。もしかしたら本作を作った時点でバンドとしてもその辺の自覚があり、そこを乗り越えられなかったゆえの早期解散なのかもしれない。"Omega Conspiracy"以降のAGENT STEELを思わせるところは、いい感じなんだけどね。

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■"Unforeseen Consequences"TERRAVORE

ブルガリアスラッシュメタルトリオのデビューアルバム。元々デジタル配信限定でリリースされていたものを、StormspellがCD化している。KREATOR、DESTRUCTION、SODOM影響下でヴォーカルはミレみたいな・・・という毎度の奴ですが、これがカッコいい。作曲能力がかなり高く、複雑なリフ展開も起伏ある曲展開もとても気持ちよく堪能できるし、時折知的な要素も巧みにまぶし込む。また、NOCTURNALあたりの近年のドイツのブラックスラッシャーに通ずる匂いもほのかに漂い、懐古バンドに終わらないアップデートの跡も見受けられる。Stormspellはスラッシュ系の鑑識眼に時に微妙なものを感じ、特にユーロスラッシュ系は向いてないとすら思っていたのだけど、このバンド、アルバムはとてもいい。良質なユーロスラッシュ系を捜し求めてる人は買いだと思いますよ!

ARMOURED ANGEL/INSPELL/PARRICIDE

 

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■"Hymns of Hate"ARMOURED ANGEL

オージーデスメタル無冠の帝王、ARMOURED ANGELは、バンド創始者のLucy(B)と、1987年より参加したJoel(Dr/Vo)とMatt(G)のGreen兄弟というメンツの時期がメインであり最強だった。本CDは、その最強メンツの時期に作られた音源を全て収めたものである。KREATOR、DESTRUCTION、SODOMといったジャーマンスラッシュからの影響が微笑ましい"Wings of Death"デモ、ARMOURED ANGEL特有のドライブ感がいよいよ醸し出されてきた"Communion"デモからして、デモとは思えない完成度の高さで圧倒されるが、本領が完全開花するのは、やはり"Stigmartyr"、そしてなんとPolygramから発売された"Mysterium"という2作のミニアルバムだろう。バスドラムやギターの細かい細かい刻みの上にスローなスネアの刻みを乗せるスタイルは、かのBOLT THROWERや日本のHELLCHILDが有名だが、このARMOURED ANGELのそれは物凄くしなやかで、凡百のデスメタル群とは完全に一線を画している。これは明らかにLucyとMattのリズム隊の力量の賜物で、その巧さは激烈ファストナンバーでも存分に発揮されている。そうしたこのバンドの強靭かつ芳醇なアンサンブルは、"Mysterium"で完成を極め、本作はバンドの公式作としては最高傑作に位置づけられるものだろう。

しかしこのバンドの驚くべき進化はまだ止まらなかった。本CDに収録されている4曲の未発表デモ音源においては、ここまでで築き上げてきたスタイルを一切削ることなく、BLACK SABBATH的なドゥーミー感、そしてKILLING JOKE的な硬質感を醸し出すようになっている。個性にさらなる個性が加わり、もはや前任未踏の領域であるが、バンド活動としてはさらに驚愕の展開が待っていた。なんとそのKILLING JOKEのJaz Colemanをプロデューサーに向かえ、フルアルバムを制作したというのだ!!まがりなりにもデスメタルバンドでJaz Colemanというのもにわかに信じがたいし、何よりJaz Colemanは革新性のないバンドには厳しい。アングラでちやほやされてるだけのドロドロバンドではダメなのだ。しかしそんな気難しい御仁の首を縦に振らせたのも納得出来るだけの説得力が、この4曲のデモ音源には間違いなくある。本CDの最大の聴き所は、実はこの未発表デモ音源だったりする。単にレアなだけの音源ではないですよ!心して聞いて震えてください。

ここからは、本CDからはやや外れる後日談となるが・・・そのColemanプロデュース下で制作されたアルバムは、残念ながらお蔵入りになってしまう。バンドが解散したからだ。まあ、あるんだよ。頂点を駆け上っていくバンドには、こういう思わぬ落とし穴が。その後創始者のLucyがバンド復活を図るが、そこにはGreen兄弟の姿はなかった。一応フルアルバムを作って出したものの、絶頂期に迫ることすら出来ず、ついにバンドはその生涯を完全に終える。このバンドは明らかに、Green兄弟がいてこそのものだったのだよね。未発表アルバム、お蔵出しとか適わないかなぁ。出来ない相談かな。Polygram絡んでるだろうしねぇ。

 

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■"Angel of the Sixth Order"ARMOURED ANGEL

Lucy、Joel Green、Matt Greenという最強布陣が崩壊した後、バンド創始者のLucyが再建をはかり、ようやく一作作り上げるに至ったフルアルバム。Lucyの苦労はねぎらいたいが、残念ながら解散前には遥か及ばない内容だ。アンサンブル重視でやってきた以上メンツが変わると以前の音が再現できなくなるのは当然だし、それに留まらず、後任のドラムが非常に弱い。激速ビートもこなせなければ、グルーヴもない。それでも楽曲は結構頑張っており、ぽっと出の辺境バンドであれば佳作に位置づけられる内容にはなってると思うが、しかし本来そういうステージのバンドではないだけに・・・。

 

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■"Murder Tales:I Confess..."INSPELL

かのStormspellの第一弾バンドとしてデビューしたブルガリアのINSPELLが、約10年ぶりに帰ってきた!!前作は、DIMMU BORGIR系のシンフォブラック+TESTAMENTのようなベイエリアクランチスラッシュというかなり特異な音楽性だったが、今回は残念ながらスラッシュ要素は消失し、シンフォブラックに純化してきている。とはいえ、相変わらず凡百のこの手のバンドと異なるところもあり、それはシンフォプログレ的な味わいを少なからず感じさせること。キーボードが恐怖感をひたすら煽るような鳴り方だけではないんですね。その辺で、いい意味で真性ブラックから一歩引いており、ちょっと面白い辺境エクストリームメタルという趣で楽しめる。音だけ取れば良い出来なんだけど、残念なのが、このジャケットはさあ…もうちょっとなんとかならなかったのか。

 

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■"Crude"PARRICIDE

ポーランドのブルータルデスメタルの3rdアルバム。ブルデスは疎いので感想が述べにくいのだが、Jackhammer Musidリリースらしさがこの作品でも漂っていて、自分としては気に入って結構聴いてるアルバムだ。基本スローとブラストの繰り返しを、かなり複雑なタイミングとリズム展開にて行っており、そのセンスは非常にキャッチーだ。ウェットに踏み込まない程度の不穏なメロディをほのかに漂わせているのもいい。演奏力は言うまでもなくバカテクの上、出音も大変重厚です。