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WYRMS

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”Morcar Satoric"WYRMS

フランス産ブラックメタルバンドの2作目だそうで。自分の知ってるバンドを用いて形容すると、KVIST+WINDIRって感じの、メランコリックかつ強靭な演奏の疾走ブラックメタルを聴かせてくれる。ジャケットどおりの、悲しくも誇り高さを感じさせる音だ。何はさておいても、とにかく楽曲、演奏共にクオリティが非常に高く、それだけで多くの人にとって愛聴盤になりえるだろう。にも関わらず本作プレス枚数かなり少ないそうで、これだけのものが地下でくすぶってるのはもったいない。手に入れられた人は、大事に聴いていけよ!

ここしばらく、誰が読んでるのかわからないCD感想文を書き連ねてきたけど

そうしてきた理由は、誰にも入り込みようのない、僕だけの「音楽の城」を築き上げたいと思ってきたから。誰かの共感を誘うように書いてないはずだし、本当、自分なりに感じたことを塊にして吐き出して、それを壁や柱のように形作って、城を築きあげるようにしてここまで書いてきたつもりだ。

これまで、僕には音楽方面との長年の柵があった。最初こそ純粋な同好の士とのつながりだったのが、色々あって歳を経るごとに嫌なこと、厄介なことが増えてきて、ある時より楽しく付き合えなくなってきたように思う。そんなもんさっさと縁切っちゃえばよかったのだが、それが出来なかったのは、他人や他人の価値観の中にいないと、音楽を楽しめない気になってたから。実際「家に閉じこもってライブに来ないオタク野郎が…」みたいな物言いが幅を効かせやすい世界だったし。まあ洗脳っちゃー洗脳だね。

ある時より「一人ぼっちで音楽を楽しむことは悪いことなのか?」と真剣に考えるようになった。そしてここに来て、ようやく「いや、悪いわけがない。文句も言わせない」と胸を張れるだけの理屈を自分の中に築き上げることが出来た。これでオタク野郎がと突っかかってくる輩にも、堂々と反論出来る。そんな機会が今後あるかは分からないけど。

そして、これを機に、柵も完全に断つことにした。もうあのへんの人達と交流を図ることもないでしょう。まあもしどこかでうっかりバッタリ行き会ったら、挨拶くらいはしなきゃいけないだろうけど…

今後も、より素敵な自分の城を築き上げるべく、このblogの更新は地味に頑張っていこうと思います。

CYNIC

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"Uroboric Forms - The Complete Demo Recordings"CYNIC

数年前のあの素晴らしい来日公演の直後、残念ながら再度の解散をしてしまったCYNIC。現在新たな作品は望めないわけだが、そんな中、"Focus"以前のデモ大全集という、とびきりの贈り物がファンに届けられた。1991年のデモより1990年、1989年、1988年…と遡っていき、最後に1991年に録音されたオーディション用テープに立ち戻るという構成になっているが、まず驚かされるのが、"Focus"に収録される"Uroboric Forms"と"The Eagle Nature"の2曲の原型は、既に1991年に出来上がっていたということ。そしてそれ以前はびっくりするほどに正統派スラッシュメタルだったということだ。とはいえ、1990年の段階ではそれなりに起伏はあるんだけど、そこから更に遡ると、まるでPOSSESSEDのようだ。そこら辺はまあ、さすが10代の若者だねぇ…と微笑ましい限りなのだけど、そこからたった3年で、世界を震撼させKING CRIMSON人脈まで食い込むあの音のレベル間近までたどり着いていることに、彼らの驚異性がある。要するに、最初から天才ってわけじゃなかったと。その辺はフロリダという(当時は)豊かな土地柄かもねぇ。ガレージで24時間いつでも練習出来たりね(ガレージバンドなんて言葉があるけど、これメチャクチャ贅沢な環境なんだよ!!)。勿論、Sean ReinertとPaul MasvidalのDEATH"Human"への参加も、才能の開花への大きな刺激になっただろう。そんな彼らの変遷に興味がある人なら、これは絶対に聴いておかねばならない。色々と震えますよ。

VON/BESTIAL WARLUST

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"Satanic Blood"VON

アメリカのカルトブラックメタルバンド、VONのコンピレーション盤。各トラックの初出など詳しいことがよくわからないのだが、大本はデモテープであったことが一発で分かる音質の劣悪さである。1つもしくは2つのリフと、単調極まりないツタツタツービートで延々と突っ走る、ミニマルなブラックメタル…とでも表現出来るだろうか。これにもうちょっと起伏を持たせると、DARKTHRONEの3rdみたいになりそう。ただ、ミニマルといってもギターソロが入るんで、その辺でミニマルに徹せてはいないかなーという気も。このバンドのキモは、ヴォーカルかもですね。単調で怪しいバッキングの上を呪術的な咆哮やら呻きやらが延々と載っかってて、怪しさは中々。もしかしたらMAYHEMあたりもここから影響受けたのかもね。面白いっちゃー面白いんだけど、これ何回も聴く気になれるかといえば…一発芸ものかねぇ。1992年という時期を考慮しても、この頃BURZUMの1stが出てるわけですし、そちらの方が遥かに魅力を感じる。個人的には、SARCOFAGOなどとは違って、あまり持ち上げる気にならない一枚。

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”Vengeance War 'till Death”BESTIAL WARLUST

私的ウォーブラックメタル最高峰が、ついにHells Headbangersよりリイシュー!!このバンドは元レーベルModern Invationが他所に手放さす細々とリプレスを繰り返し流通させていた印象があるのですが、ここんところ見かけない状況が続いてたので、密かなブームに湧いてるウォーブラックメタルのファンにとっては、待望の再発と言えましょう。地響きのようなファストビートの中繰り広げられる阿鼻叫喚の音像は、まさしくウォーブラックと称するにふさわしいもの。死にもの狂い感満点です666!バンド名からしてBATHORYの”Bestial Lust”から取っていじったものを冠してるわけですが、音の方もBATHORYの延長と捉えるのが正しいでしょう。”Under the Sign of Blackmark"にガソリンぶっかけて火をつけると、こんな感じになるんだと思います。これを格好いいと惚れ込むか、ゴミと切り捨てるか、好き嫌いははっきり分かれる音かと思いますが、僕は勿論超大好きです。初心者は直に続けて再発になる予定の2ndアルバム”Blood & Valour”から入ったほうがいいかもね。こちらのほうが演奏まとまってるので。

EXOTO/KREATOR

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"Carnival of Souls"EXOTO

知る人ぞ知るベルギー産デスメタルの名バンドのデビューアルバムが、ついに再発された。このバンドはEPの時点で、日本でも某バンド兼ディストリビューターが大プッシュ。やがて姿を表したこのデビューアルバムも、その充実した内容に思わず唸ったものだ。このバンドは、とにかく緩急巧みな楽曲が素晴らしい。しかもそれを、プログレメタル的な方法論に頼らず、あくまでユーロデスの範疇で実現しているところに、このバンドのある種のプライドを感じる。中でもスローからファストへと美しいフレーズで疾走していく"After Death"は出色の出来だと思う。今回の再発はリマスタリングが施されており、このバンドの本来の持ち味でもある音像の生々しさが若干抑えられている気もするが、それゆえにききやすくなってる感もある。ボーナストラックとして、2ndアルバム"A Thousand Dreams Ago"制作前のデモが収録されているが、これがまた凄まじいクオリティ。本当、もうちょっと報われても良かったバンドだと思いますよ。ブックレットやバックインレイは元盤のものをかなり精巧に復刻。至れりつくせりの素晴らしい再発です。

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"Endless Pain"KREATOR

ジャーマンスラッシュメタルゴッド、KREATORの記念すべきデビューアルバム。この時点ではまだツタツタスパスパのノリは見られず、VENOM直系のドコドコのノリでシャカリキに疾走する。ほんのちょっとジャーマンスピードメタルの香りもするようなしないような。ミレやヴェンターのヴォーカルはこの時点でもうキレまくってるし、ヴァイオレントであることは間違いないのだけど、古典的メタルの面影が色濃く出ていることもあってか、全編とおしてかなり聞きやすい。演奏面はさすがに青さが目立つものの、それでもジャーマンビッグ3のデビュー作の中では一番上手い。何せ次作がスラッシュメタル史上最高傑作であるために、今作はどうにも影に隠れがちですが、後回しでもいいので一聴の価値は十分あると思います。

CENTINEX/CEMMENT

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"Malleus Maleficarum"CENTINEX

スウェーデンデスメタルバンドの、1996年リリースアルバム。メタル辞典ではコンピレーション・アルバムになっているが、そもそも何のコンピレーションかが曖昧で、日本国内のWeb情報を見るとばっさりと2ndアルバム扱いとして語られている。DISMEMBERのような所謂「そういう音」だが、ブラックメタルのようなテイストも少なからずまぶしこまれてる気がする。DARK FUNERALがスウェディッシュデスを志向すると、こんな感じになるのかな?あとブラストが入ると(リズムがバラけるのもあってか)アルバムデビュー当時のTHUS DEFILEDを彷彿させたりも。楽曲が中々印象的で、演奏も概ね安定している。一級品とまでは言えないものの、それに迫るものは感じ取れ、この手の音が好きな人ならば聴いておかねばならないだろう。それにしてもメタル辞典調べてびっくりしたのだが、これだけのバンドにも関わらず、2000年代に入るまでロクなディールに恵まれてない。本作に至っては、初出はなんと悪名高きWild Ragsからである。2000年代に入ってようやくCandlelightと契約。中々泣けてくる。

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"Donor"CEMMENT

横浜のバンドの、1996年リリース2ndフルアルバム。一言で言い表すならば、インダストリアルスラッシュメタルになるのだと思う。ただこのバンドに関して第一に特筆すべきなのは、古典的なスラッシュメタルが確固として核にあるということ。FEAR FACTORY等を意識したようなフレーズやリズムも一応見受けられるのだが、リズムに冷徹さや非人間性を打ち出しているわけでもないし、古典的な泣きを交えたギターソロを聴かせたりもする。後のエクストリームミュージックにつながる感性はあまり感じられず、あくまでスラッシュメタルの範疇に留まった音である。実はこれ、大変格好いいのだ。メタルの旨味をむやみに捨てることなく、メタル者的にも分かりやすいインダストリアルミュージックの部位を巧みに組み合わせ、このバンドならではの個性を見事に確立している。次作"Antithese"はちょっとFEAR FACTORYっぽくなりすぎた感があるので、個人的にはこの頃が一番好きだ。少し前に再結成して、現在も活動中。

DARK FUNERAL

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"In the Sign…"DARK FUNERAL

今や人気バンドとしての地位を確立したDARK FUNERALだが、個人的には正直、デビューした頃はあまり印象が良くなかった。彼らがデビューした1994年なんてのは、ブラックメタル黎明期として最高の時期で、これまでまったく聴いたことのない音を轟かせるバンドが次から次へと絶え間なく出てきてたほどなのだが、そんな中彼らがやってたことは、MARDUKにMAYHEM風味を加えただけにしか聞こえなかったから。そりゃ確かに格好よくはあったけど、あの頃はどっかで聴いたことのある音にわざわざお金や時間を割く意味を感じなかった。そんな彼らのデビューミニアルバム"Dark Funeral"に、BATHORYカバー2曲、ライブトラック3曲を追加し、ジャケットも新たに再リリースされたのが本品。今日の彼らの成功を踏まえてこちらを聞き直すと、まあ彼らは無理な独創性よりも、そうしたブラックメタルのスタンダードの一つの形を洗練させていく未来を当初から見据えていたんだろうなと思う。そういう意味では当初からかなり垢抜けていたし、この再発に際してリマスタリングも施されているので、今日においても鑑賞に堪える音像となっている。ただまあ、彼らの本領は2作目のフルアルバム"Vobiscum Satanas"からだとは思うのだけど。BATHORYカバーも、良くも悪くも完コピなんだよね…。

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"The Secrets of the Black Arts"DARK FUNERAL

1stフルアルバム。先のミニアルバムと同じです。以上…じゃダメデスかね?一直線にカっとばす曲調ばかりなので、単調さが否めない。悪くはないんだけど、これが出たとき既にMARDUKが"Opus Noctune"出してたわけだしねぇ。同じようなスタイルの上、そっちの方が断然工夫を凝らされていて、面白いしカッコいいぞとどうしても思ってしまう。VONのカバーとかもやってるんだけど、なんかな…なんかな。

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”Vobiscum Satanas"DARK FUNERAL

リーダー以外のメンバーをなんと総入れ替えして制作された2ndフルアルバム。結局それが完全に功を奏したということなのだろう。前作までの単調さはどこへやら、楽曲の隅々までに起伏が行き渡り、音楽的に飛躍的に豊かなものへとなっている。勿論非常にドラマティックだし、ただノリに任せるのではない、聴き込むに値する音楽性が確立されている。ここで彼らはようやく、MAYHEMからの影やMARDUKとの相似性からほぼ完全に脱し、オリジナリティを打ち出すことが出来たのだ。ブラックメタルとしてはもう完璧に一級品。しかし彼らはこれに甘んじることなく、次作でさらなる進化を遂げるのだ。

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"Diabolis Interium"DARK FUNERAL

今度はベースとドラムを交代させて制作された3rdフルアルバム。本作で彼らは商業的にも結構な成功を収めたそうだが、そりゃ売れますよこれは。既存のブラックメタルの作曲スタイルに変にとらわれることなく、ブラックメタル好き以外にも魅力を伝えられる曲書くようになりましたから。直接的なメロディも惜しまず打ち出すようになり、メリハリが断然ついてきた。これなら前作ですら退屈に感じた人も、耳を離せないだろう。しかしそれでいて、従来からの芯はまったくぶれていない。むやみに自らのスタイルを破壊したり逸脱するようなことはしていない。その上でこれだけの音を描けるようになったのだから大したものだ。正直デビュー当初は、これほどまでの可能性を秘めたバンドとは微塵も思ってませんでしたから…。